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第91回派遣報告
団長:       中條 隆徳
団員: 歯科医師 廣畠 英雄 中村 慶男
平山 仙哉 渡邊 峰夫
渡辺 大郎
原田 健一
川越 亮利 坂部 留可
菅野 絢子
歯科衛生士 山本 春江 高橋 佳子
原田 綾乃 竹之内 茜
その他 竹之内 未香

 
活動年月日 2015年3月22日 2015年3月23日
活動場所(施設名等) Thi Nghe Go Vap
午前の部 午後の部 午前の部 午後の部
時刻 開始 9時00分 12時00分 9時00分
    終了 13時00分 15時00分 12時00分
派遣団員内訳
歯科医師 10 10人
歯科衛生士 4人 4人
その他 1人 1人
 子どもたちとの交流        
検診人数 78人 105人 93人
処置した人数 29人 35人 49人
処置内容
抜歯 15歯 18歯
サホライド  48歯 45歯  85歯   
充填 1歯 13歯 5歯
シーラント
感根処、抜髄等、生切
フッ素塗布    
歯石除去 1人    


派遣報告
団長 中條 隆徳
・1日目 2015年3月22日 
 HASPDの所在地より車で20分ほど離れた施設での活動でした。奇形のあるベッドに寝かされた障害児、動ける障害児、その職員の方々の検診・治療(充填、抜歯)を行いました。到着当初、職員の方々への通達が足らないのか、我々の活動を理解してもらうのに時間を要してしまいました。動ける子供を診る班と動けない子供を診る班、2班に分かれ、検診・治療を行いました。
・2日目 2015年3月23日
 HASPDの所在地より車で40分ほど離れた施設での活動でした。1日目と同じく、奇形のある子供たちや障害児、施設の方々への無償歯科診療を行いました。1日目の施設より、設備も良く、スタッフの若い看護師さんでしょうか、ユニフォームが清潔で、寄付をたくさんもらっている施設のように思われました。

感想) 今回の派遣先が、2件とも、奇形のある障害児が半数を占める施設でした。以前、仏教関係の同じような保護施設を訪問したことがあり、その時にTVで見た(ベトちゃんドクちゃん)が現実に目の前に現れたようで、強い衝撃を覚えたのを思い出しました。
口を開けることに対して、寝たきりやベッドで寝返りを打つ障害児の抵抗にあいますが、職員の方の協力を得て検診しました。多くのの子にカリエスはなく、あっても、咬耗に着色で、5〜6人に一人くらい、サホライド塗布をしました。
寝たきりで、甘いお菓子の存在すら知らない、障害児の子供たちには、虫歯も出来ないのでしょうか?親が移す細菌すらいないのでしょうか?虫歯のないことが、可哀そうで仕方ありませんでした。変ですが。
抜歯や充填を主に、今まで行って来ましたが、今回の2施設は、検診とサホライド塗布も治療の多くを占めました。職員の方々は、自分たちが世話する障害児が検診を受けることに対して、とても協力的で、検診をする事をとても喜んで下さいました。やさしい職員の方々にとって世話する障害児は自分の子供同然なのですね。
今回の子供達の障害と境遇に出会い、改めて思うことがあります。この社会の未来として、病気のない社会が訪れる可能性は、何%くらい、あるのでしょうか?1%でもあるのでしょうか?
子供達が、WHOの定義のような、健康な状態で成人を迎えられるように配慮していくことが、医療従事者にとって、大切なことのように思いました。

感謝 )毎回、スムーズにベトナムで活動できることは、大変ありがたいことです。
会長藤岡道治先生をはじめ、JAVDOの運営に関わる方々に、大変に感謝しております。

ベトナムでのボランティア活動を終えて
歯科医師 菅野絢子
3月22〜23日の2日間JAVDOの活動をさせていただきました。今回の活動場所は障害児の施設で、比較的設備も整っているところでした。口腔内の環境は想像していたよりは清潔に保たれており、障害の少ない児童達が私たちの昼食中にブラッシングをしていたのが印象的でした。
活動中、現地のボランティア団体が施設訪問しているところに遭遇し、彼らの地道な活動のおかげか施設の子供たちは常に屈託のない笑顔を私たちにも向けてくれました。
今回4回目の参加にして初めてベトナムで障害のある方々を診察するという貴重な経験をさせていただきました。
彼らもベトナム社会の一員であり、そんな彼らに少しでも貢献できたのかなと考えております。
今後も微力ではありますが、ベトナム社会に協力できればと改めて思いました。
最後に、団長である中條先生、ベトナム出発前からいろいろサポートしていただきありがとうございました。
また、今回活動を共にいた活動員の皆様いろいろご迷惑おかけしましたがありがとうございました。
皆様、またベトナムで会いましょう!


歯科衛生士 原田綾乃
今回初めて活動に参加させていただきました。諸事情により当日の朝合流という形になってしまい前日のミーティングに参加出来ず自己紹介もままならないままの参加となり、ご迷惑をおかけしました。そんな中、皆さん快く迎え入れてくださりとても安心したのを覚えています。
1日目の派遣先では、障害児の検診・サホライドの補助をメインにつかせていただきました。はじめは何をして良いのかも分からずただ戸惑って立ち尽くしていたのですが自分なりに出来ることをさせていただきました。
自ら口を開けてくれる子は少なく、職員の方の力を借りて口を開けさせるというのが現状でした。しかし、う蝕のある子は少なく普段はどのような生活や口腔ケアをされているのか、摂食状況によるものなのかなど色々と考えさせられました。問題がないことに越したことはないですが少し曖昧な気持ちになりました。
私はこのような施設へは日本でも訪ねたことがなかったのでベトナムに限ったことではないかもしれませんが様々な現状を知らずにいるということを改めて思い知らされました。
2日目の派遣先では、私は主に抜歯の補助につかせていただきました。患者さんはこの日を待ちわびていたかのように、次々と口腔内をみせてくれるような状況に驚きました。増してや、抜く必要のない歯すら抜いて欲しいと言っていた患者さんさえいたくらいで、そのくらい歯科にかかることが簡単なことではないのだと思い知らされました。
日本であれば残すことも可能かもしれない歯を現地では抜歯することが最良の治療となるのが悲しい現実で、それを見極め処置を決定する先生方はさすがだなと感心させられました。私にはその先生方のアシストをすることしか出来ず、自分の無力さにただ劣等感を感じずにはいられませんでした。自分に出来ることは他にもあったのではないかと今でも考えます。
現地では日本のような治療の手立ては少なくサホライド・充填・抜歯の様にできる治療が限られており、またすぐに歯科にかかれるかといったらそうではなくて一刻も早く歯科医療の制度が改善され、皆が平等に治療の受けられる環境の必要性を感じました。そんな中で今、私でも出来ることは歯科衛生士として患者自身が自分で予防する力をつけることを手伝いすることだと考えます。今回、少しでも多くの方にTBIのような形で伝えていけたらと思い参加させていただきましたが、残念ながら伝えることはできませんでした。しかし、この活動に参加させていただいたことで私自身は多くの大切なことに気づくことができました。自分にとってはこの活動に参加することが大きな決断であり、ひとつの目標でもあったので、参加できたことを本当に良かったと思っております。でもこれでは、ただの自己満足なのだということに気付かされました。そこで何をするのか、帰ってきてどうするのか、が重要であって、ボランティアをするにあたって自分のしっかりとした強い意志がなければならないこと、ボランティアがいかに難しいかということ、よく分かりました。これはこの活動に参加していなければ分からなかったことと思います。まだまだ理解も浅いです。でも今回のことでこの現状を少しでも多くの人に伝えて社会の意識を少しでも変えていけたら本望です。悩んでいた時に参加を決意して本当に良かったと思っております。

団長の中條先生をはじめ、先生方、衛生士さん・スタッフの方々、皆様にはよくしていただき心より感謝申し上げます。
多くの人の協力があってのことを忘れずに感謝し、日々精進してまいりたいと思います。
大変有意義な時間をありがとうございました。
 

ボランティアに参加して
歯科医師 坂部 留可
私は、3月22日、23日とベトナムのホーチミンでの歯科ボランティアに初めて参加させていただきました。

そもそものきっかけは、私が歯科大学に進学する前から、海外ボランティアに参加したいという思いで医療系大学を目指していたことという過去があり、また、子育てで多忙なため自らの診療自体の時間が減る傍ら、自分が昔からやりたいと思っていたことを実現するチャンスを得たいという気持ちと、貴ボランティア活動におかれましては、小児の治療が多いという内容をホームページより拝見し、小児歯科の専門医である私としては、小児の治療ならば、少しでも力になれることがあるかもしれないという思いがあったからです。

私が携わりました実際の治療は、二日間とも障害者施設の子供たちがほとんどで、想像していた以上のカリエスの多さでした。しかし障害や疾患を持つ子供たちにとって、口腔環境の改善以上に今の自分自身の疾患を克服していくことが最優先であることや精神疾患の問題、経済的な問題等から十分な歯科治療を受けることができない、また、口腔内環境の向上が期待できないといった状況より、二日間の治療は、重症疾患ならびに精神疾患患者に対しては大きなカリエスがあってもサホライド塗布、それ以外では抜歯、もしくは、充填処置であってもとりあえず食物残渣が詰らない程度にしか行うことができないという、治療に対する歯がゆさを感じました。最大限の治療を最善を尽くして行う日本の歯科診療の現状と最小限の治療で最大限の効果を期待するベトナムでの診療、どちらが絶対であるということではなく、その国や人々のおかれている状況により、医療という面ではどちらも非常に大切なことであるということを実感いたしました。

しかし、その一方で、崩壊の著しいカリエスに進行していった過程での相当の疼痛や、今後の歯の喪失による摂食困難を考えると、ベトナムでこのような生活をしている方々のQOLの向上を願っては止みません。

社会的に急成長をしているベトナムにおいて、今後、歯科医療という面からも、誰もが丁寧な治療を何回も受けることができること、口腔衛生の重要性、また、障害者においてもノーマライゼーションの確立がされるよう期待したいと思います。

そして、そのためにJAVDOが益々の御活躍することを心よりお祈り申し上げます。
また、初めての参加にもかかわらず、温かく受け入れて下さった中條先生をはじめ、多くの先生方や歯科衛生士さんの方々に心より感謝申し上げます。

今回の体験を踏まえ、歯科医師として少しでも成長できたら幸いです。また、機会がございましたら是非、参加させていただきたく存じます。


特定非営利活動法人 日本歯科ボランティア機構