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第79回派遣報告
団長:      橋本 昌美
団員: 歯科医師 黒飛 一志
Lam Dai Phong
歯科衛生士 岩崎 茉実
久保田 敬子
川畑 小夜
歯科技工士 藤谷 千穂
歯科助手 池田 映莉子
初岡 均
現地サポート 沖本 麻貴

 
活動年月日 2013年6月23日 2013年6月24日
活動場所(施設名等) Vocational Training Center for People with Disabilities and
Orphans at Xu?n Thoi Thuong commune, Hoc Mon district.
午前の部 午後の部 午前の部 午後の部
時刻 開始 8時30分 13時00分 8時00分
    終了 12時00分 17時00分 10時30分
派遣団員内訳
  歯科医師 2人 2人
  歯科衛生士 3人 3人
  その他 5人 2人
子ども達との交流
検診人数         106人 18人
処置した人数         106人 18人
処置内容
  抜歯         37歯 5歯
  充填        46歯 6歯
サホライド        
その他(抜髄)        10歯
歯科衛生士の活動
   ブラッシング指導・口腔内清掃          10人
   歯石除去          14人 1人
    フッ素塗布         8人
   口腔衛生啓蒙活動(紙芝居)





10回目の渡航となるベトナムへ、『関西チーム』を結成して
こがはしもと歯科医院 歯科医師 橋本 昌美
6月21日午後、10回目の渡航となるベトナム・ホーチミンシティへ、岩ア茉実とふたり、大阪伊丹空港から成田空港経由にて、他のメンバーより一日早くホーチミンシティへ飛び立ちました。
思い起こせば今月2日に結婚式をした歯科衛生士の辻本時子らが、「行ってみたい…!」と話し出して、最初は決してノル気ではなかったベトナム渡航が、いつの間にかベトナムの方々のパワーに魅了されて、記念すべき10回目となりました。今回も昨年と同じ『ホテル日航サイゴン』に、当医院のメンバーとともに宿泊しました。
今回は、以前に一緒に活動をさせていただいたことのある歯科衛生士の久保田敬子さんが、他の歯科ボランティア活動で同行したことのある大阪市内で、ご開業されている黒飛一志先生をメンバーにお誘い下さり、川畑さんや初岡さんも引き連れて、早々『関西チーム』が結成出来ました。
当医院の活動経験者は、岩アと私のふたりで、歯科技工士の藤谷千穂は海外旅行そのものが初めて、池田映莉子も歯科医院で勤務するようになって、まだ半年です。11回目は無いかも知れないので、経験者がいる間に、今働いてくれているスタッフ全員に経験してもらおうと、このメンバーになりました。その岩アが久保田さんと綿密に連絡を取り合って、いろいろ準備をしてくれました。日々どんどん成長してくれるスタッフには、ホント心から感謝・感激です。
6月22日午後5時、HASPDOに今回の『関西チーム』の全メンバー8名と1年ぶりに会う沖本さんとニエ君が集まりました。
 2日間とも同じ場所での活動となり、1日目はホーチミン大学の学生にもアシスタントをお手伝いしてもらって、主に黒飛先生は抜歯を、私が充填処置を進めました。今回は今までとは違って、成人の障がい者や孤児の方々が中心で、実に処置内容が大変なものとなりました。抜歯も骨植がよく、歯根分割をして時間を要してしまったり、X線写真もないまま下顎水平埋伏智歯の抜歯や、抜歯を望まれないために生活歯髄切断処置をしたり、今までにない多くの処置の経験をしました。
また歯科衛生士の3名には、スケーリングもしてもらいました。初岡さんには、器具の清掃や消毒、カルテの記入やアシスタントと、いろいろと大活躍をして下さいました。当医院スタッフの3人は、知らず知らずのうち、身についた日々のチームワークで、アシスタント業務をしてくれました。おかげで、かなりお待たせをしてしまいましたが、多くの方々の治療処置を手際よくすることが出来ました。
さすがに一日100名を超える方々の歯科健診や治療処置は、歯科医師ふたりでは正直、疲れてしまいました。それでも処置を終えたら笑顔でお礼を言って下さる方や、一緒に活動をサポートして下さる日本語学校のジェップさんとヴァンさんの笑顔に支えられ、無事に二日間の活動を終えることが出来ました。
いつもながら、藤岡理事長をはじめ、沖本さんやニエ君、私たちの活動をサポートして下さるいろんな方々に心から感謝です。ありがとうございます。
そして今回の『関西チーム』に、快くご参加下さった黒飛先生をはじめ、久保田さん、川畑さん、初岡さん、当医院から唯一の経験者としてしっかり皆をまとめて、準備から頑張ってくれた岩崎、半年の勤務経験ながらの初参加で手際よくアシスタントをしてくれた池田、そして実は直前まで参加をためらっていた藤谷、皆々様に感謝申し上げます。ありがとうございました、そしてお疲れ様でした…。
来年また渡航すると11回目。いろんな業務のために私自身の体力や当医院のメンバー不足から、ちょっと無理かなぁと考えつつ、また新しい先生方と一緒に、この関西からチームを結成して、活動出来ればと願っています。
JAVDOを経験して
歯科医師 黒飛 一志
今回、はじめて参加させていただきました、歯科医師の黒飛一志と申します。
非常にいい経験をさせてもらうことが出来ました。

今回忙しく、事前の準備があまりできていなかったので、忘れ物をしたりと、やはり海外での活動は事前準備が大事と認識をしました。特に抜歯が多かったのですが、その時に自分のいつも使っている鉗子がないために苦労しました。

日本の歯科では、「保存療法」が優先されます。できるだけ抜歯をせず、根管治療をしていこうとしていますが、歯科教育が十分でない地域では、痛みがあると、抜いてくれと言ってくるのです。そして、私たちも継続的な治療を提供することが出来ないので、根管治療より、抜歯を優先してしまいます。
 現地では、植立のいい歯牙をたくさん抜きました。心苦しさを感じました。
しかし、ボランティアでできることと、患者さんの考え・状況を考えて、一番バランスのいい治療を選択した結果、抜歯が多くなってしまいます。
この状況を変えたい、歯科医師として、まだ歯科教育の十分でない地域に1本の歯の大切さを伝えていきたいと想いました。
自分自身は、9年前に「関西・子ども・夢チャリティー」というチャリティー団体を作り、児童養護施設の子どもたち100名を、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(R)に招待し、彼らの夢を100人の大人サンタが応援するというイベントをしていますが、もっとできること考えたときに、自分自身のフィールドである歯科治療を提供するがことが良いと思い、今回のJAVDOに参加させていただきました。
海外ボランティアでは、別の気づきがたくさんあります。
言語の問題、考え方の違い、文化の違い、リスク回避、道具のこと、日本では体験できない経験をさせていただきました。今後の診療にいかしていこうと思います。
訪れたHo Chi Minh Cityは、人が生きているって感じです。
たくさんのバイク、活気あふれるマーケット、輝いている子どもたちの目
たくさんの元気をいただきました。
そして、JAVDOに参加されている方々は素晴らしい方ばかりで、みんなで助け合い、一つのことを成し遂げるという素晴らしい経験ができました。
 日本の診療室と比べると、環境はよくありません。治療もなかなかうまく行かないことがありましたが、橋本先生や歯科衛生士さんたち、アシスタントさんらに助けられました。
日本とは違った時間の過ごし方をして、たくさんのことを考えました。
そして、新しい目標ができました。
私は、「アジアの歯科医療を発展させることの出来る人間になる」という目標ができました。
 本当に素晴らしい機会を作ってくださり、すべての関係者に感謝しています。
ありがとうございました。今後もJAVDOを応援します。
2度目のボランティア活動に参加して
こがはしもと歯科医院 歯科衛生士 岩ア茉実
今回このボランティアに参加したのは2度目でした。今回、当院からは院長と初参加の歯科技工士・助手と4名だったのですが、唯一院長と私のみが経験者の為、私が中心になって準備を進めなければいけなかったりと、正直なところ不安も大きかったです。2年前に初めて参加した時は、小さな子供達を中心とした処置が多かったのですが、今回は障がい者の方が中心で、20代以上の年齢の方が多く、処置自体も小児に比べ複雑な処置が多かったです。そのため1日目はなかなかペースがつかめず、ひとりひとりに時間がかかり、長蛇の列ができてしまいました。それでも治療に来てくれた方々は、文句ひとつ言わずに長い時間待ってくれて、治療が終わった後は、笑顔で帰っていってくれました。歯が痛くてご飯が全然食べられないと言って来られていた方も、その後食堂で会った時は、おいしくご飯が食べれている姿を見たりして、やっぱり来て良かったなぁと思いました。ただ今回来て痛感したのは、言葉のコミュニケーションがとれないことでした。私は英語、ベトナム語は全く喋れません。なので何をするにしても、通訳のボランティアで来てくださった学生さんを通してのコミュニケーションしかできず、会話ができたらなぁ…と終始感じていました。2日目は今回一緒に参加した歯科衛生士の久保田さんと川端さんが、治療に来た方々に口腔保健指導を行ないました。媒体もとても工夫されていて、私も思わず見入ってしまいました。久保田さんも川端さんも、とてもパワフルな方で同じ職種として、とても良い刺激を与えていただきました。
全体を通して、今回も沢山の方達との出会いがありました。歯科衛生士をしていても、なかなかこうして海外ボランティアに行くという経験がある人は少ないと思います。ボランティアは決してひとりでできるものではないし、こうして少しでも救ってあげたいと、同じ気持ちを持った人達が集まってこそ、初めてできるものだと思います。その点、私はすごく恵まれた環境で仕事ができているんだなぁと、改めて感じました。この機会を与えてくださった院長をはじめ、一緒に参加した皆様、現地の沖本さん、ニエさんに感謝を申し上げます。
JAVDOに参加して 〜2013年6月・関西チーム〜
歯科衛生士 久保田敬子
今回JAVDOの活動に参加させていただくのは3回目です。
ベトナムの力強さとアジアらしい空気に迎えられ、現地のボランティアスタッフさん(沖本さんや日本語スタッフの方々)の笑顔に助けられました。

今回は子供の診療がない活動でした。こんな事は今まで、どんな団体の活動に参加してもなかった事なので、とっても新鮮でした。誰も泣かない誰も逃げない海外歯科医療活動です。
少し肩すかしをくらったような感覚でしたが、徐々にその環境に慣れるに従って、乳歯列とは違う口腔疾患の傾向を感じました。
骨がしっかりしているので、抜歯症例にとても時間がかかりました。Dr不足と重なって、患者様をお待たせする事もある中、患者様達は興味深げにニコニコしながら診療に厚い眼差しを送って下さっていました。温かい気持ちの溢れる空気の中で診療は、とても心地良かったです。

また、歯石の沈着量や堅さも著しく、生まれて初めて歯石除去を行う方の歯石は本当に堅くて多いので時間がかかりました。
保健指導に至っては、子供用に作って行った媒体だったので、対象者が大人で、人数も少なく、障害をお持ちの方々には退屈だったようでした。けれども、失敗は失敗として私自身学ぶ事が多く、次回の保健指導に活かせるように今後に落とし込みたいです。

毎回、新しい気付きを与えて下さるJAVDO活動に本当に感謝します。チームリーダーとして皆を引っ張り、支えて下さる橋本先生や、こがはしもと歯科のスタッフの皆さま、共に活動した仲間たちに心から感謝致します。
JAVDO歯科ボランティアに参加して
白井歯科 歯科衛生士 川畑 小夜
私は2007年、ハノイにて初めて参加させて頂き、今回が2回目でした。ホーチミンは初めてで、対象が子どもではなく大人の方々という事も初めて、健常者ではなく障害者という事も初めて、ついでに雨季という事もあり道行くバイクで走る現地人の素早くカッパに着替えるカッパタイムが見学できた事も初めてで、初めて積くしでした。
 現地での活動内容について事前会議などがない中、当日は皆さんと自分が出来る事を探しながら懸命に活動しました。
 診療に来られた方々はとても明るく笑顔で、ベトナムの方々は障害があっても前向きな精神で生きている優しい表情をする方々だなと感じました。
「上の者は下の者を守り、下の者は上の者を敬う」という精神で生活をされていると思いました。
いつもボランティア活動に参加する度に思いますが、きちんと歯ブラシの習慣がついていない国では若い世代で歯を失う現実に心が痛みます。今回も現地の方は歯を抜くのが怖いので、詰めるだけにして欲しいと希望される方々が多くおられました。日本では治療できる状態でも、ここでは抜かないといけない現実を少しでも減らせるように保健指導はとても重要であると思います。
歯を抜くのは怖いと思う事は世界共通であり、その歯を守るのは自分自身で出来るという事も世界共通で、それを伝えるのが歯科医療従事者の役目だと思います。せっかく来て頂いた患者さんの歯石があまりにも堅く、手も足もでなかった方も少なくはありませんでした。とても無力感を感じました。
また自分に何ができるのか考えさせて頂いた活動でした。
貴重な経験をさせて頂き、楽しい時間も過ごす事ができました、橋本先生をはじめ一緒に参加して頂いた皆さまに感謝しております。
ありがとうございました。
JAVDOの活動に参加して
こがはしもと歯科医院 歯科技工士 藤谷 千穂
今回、初めてJavdoの活動に参加しました。
海外へ行くこと自体初めてだったのと、こういったボランティア活動に参加したのも初めてだったので、不安や緊張でいっぱいでした。
ベトナムに着くと、想像以上の蒸し暑さと、バイクの多さに驚きました。ボランティア活動は、2日間に渡り、120名程の方の診療をしました。私の歯科医院からはDrと歯科衛生士、歯科助手、私を合わせて4名で参加したので、そのおかげでチームワークも崩れることなく診療が進んだと思います。他の歯科医院から来られた方も、ボランティア活動にとても熱心な方がおられ、本当に心強かったです。ただ、いつもと違う環境での歯科治療に戸惑いを感じていたので、積極的に動けなかった事が心残りです。
治療内容は、抜歯、充填処置が主でした。設備が整っていない中での歯科治療なのに、Drの素早い処置に圧倒されました。ベトナムでは歯磨きの習慣があまりないせいか、むし歯がいっぱいある方がたくさんおられました。むし歯になっても満足な治療が受けられずに、毎日を過ごしている人がこんなにいることにびっくりしました。
言葉もうまく通じなかったので、もどかしい気持ちにもなりましたが、現地の方で日本語を学んでいる方にも、このボランティア活動へ参加してくださり、何度も助けてもらいました。言葉は通じなくとも、診療を受けて帰られる方の笑顔にはとても安心し、嬉しい気持ちになりました。
あっという間の2日間でしたが、得るものはたくさんあり、やりがいのある充実した時間が過ごせました。一緒にこの活動に参加された皆さんには、迷惑をかける事もあり、何から何まで大変お世話になりました。感謝の気持ちでいっぱいです。心よりお礼申し上げます。
JAVDOの派遣団に参加して
 こがはしもと歯科医院 歯科助手 池田 映莉子
今回、初めてJAVDOの派遣団に参加しました。2日間、ホーチミンシティ都心から少し郊外にあるVinhSonHouseという孤児院の施設です。十代後半から三十代後半あたりの方達で、ほとんどが成人でした。障害をもった方も多くいました。
私はボランティア自体、初めてでしたが、歯科助手として出来ることは、率先してやろうと思いました。充填処置のアシスタントについていて、充填処置の方たちが予想以上にいて歯科衛生士も苦難されていて、なるべく負担かけないよういかにスムーズに処置ができ、まわすかが重要でした。1日目は歯科医師ふたりで100名ほどの口腔内を診ました。前にも何回か派遣団に参加したことがある歯科医師や衛生士の方々は、「前は子ども相手だったが、今回は成人の方で充填処置にしても複雑な方もいた為、時間が予想以上かかり、今まで参加した中でも大変なことが多かったかもしれない」と言っていました。私も自分のことで、いっぱいになってしまったりして、初日の反省点を2日目で改善しようと決めました。
 2日目、初日が多すぎたのか20名ほどでした。また媒体を使った歯科保健指導を久保田さんと川畑さんがしました。説明途中、笑顔も見えたりして、理解してもらえてるんだなぁと思い、嬉しくなりました。
 最後に2日間、通して私が一番感じたのは、もっと歯磨きをする習慣の大切さを知ってもらって、生活の一部にしてもらいたいということ。また歯磨きをする人としない人の差があるらしいので、身近で歯磨きをしている人がいたら進んで真似をしてもらいたいです。知る機会も少ないと思うので、メディアで色んなかたちで、多く広げていけたら好いと思いました。有意義な時間を、初めてのベトナムで過ごし、貴重な体験ができ,感じるものや得るものもたくさんありました。
派遣団の皆様、ありがとうございました。
ベトナムで思った事
初岡 均
 歯の治療については、いつも口をあけ椅子に座るだけだった私が、今回のボランティア活動に参加したいと思ったのは、そこに立つ現場スタッフたちの熱いであろうハートに触れてみたい、彼らのポジティブ思考に酔ってみたいと思ったからです。邪魔にならないように、そしてお手伝いの一部でも出来れば・・・そればかり念じていました。
 ベトナム戦禍をくぐりぬけた人たち、今なお戦禍の中にいる二世・三世たちが今や遅しと治療を待つ施設へいざ出陣。
 C4の歯を4〜5本かかえる子供がいる。欠損だらけ、残根だらけ、そして歯垢をぎっしりと宿した子供がいる。彼らの口腔内の状態は、私の予想をはるかにこえるものだった。満足な器材・設備のない中で、スタッフたちは満足なボランティアができない。充填治療に時間を割くことによって、残る時間内で治療を待つ人たちを、そのまま帰すことになりかねない。でもとりあえず、今晩のご飯を美味しく食べられる歯にしてあげなければと奮闘する。つい抜歯判断に流れる。しかしその後のケアが出来ないジレンマ。
 予防歯科が「主たるボランティア」と言える日はまだまだ遠い現実である。
 世界は狭くなった?
いやまだまだ広い。必要な時に必要な治療を受けることのできぬ子どもたち、求められた時に求められた治療が出来ないスタッフ、その狭間は埋まらない。これからも多くの時間と労力と資金が必要なのでしょう。しかし歯科ボランティアに参加する熱い気持ちが、きっと乗り越えると確信した。




特定非営利活動法人 日本歯科ボランティア機構