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第75回派遣報告
団長:      有松 俊明
団員: 歯科医師 宮松 富士子
歯科衛生士 有松 ひとみ
衛藤 恵
伊美 佳与子
その他 仲原 さおり
柿本 友彦

 
活動年月日 2012年9月21日 2012年9月22日
活動場所(施設名等) Nam Hung shelter Nam Hung shelter
午前の部 午後の部 午前の部 午後の部
時刻 開始 9時00分 14時30分 8時30分
    終了 11時30分 16時00分 13時30分
派遣団員内訳
  歯科医師 4人 3人
  歯科衛生士 3人 3人
  その他 2人 2人
子ども達との交流 57人 21人 91人
検診人数 69人 37人 104人
処置した人数 33人 22人 75人
処置内容
  抜歯 18歯 8歯 19歯
  充填 46歯 22歯 60歯
  
歯科衛生士の活動
   ブラッシング指導・口腔内清掃 67人 9人 54人
   歯石除去  1人 3人
    フッ素塗布 67人 9人 54人
   口腔衛生啓蒙活動(紙芝居) 80人





第75回活動報告
団長 有松 俊明
今回は若い作業療法士が2人参加してくれたことで子供たちとの交流が非常に充実したものになった。遊戯道具の準備は活動前夜の深夜にまで及んだようであるが、2日にわたる活動期間中、折り紙、こま回し、綱引き、縄跳び、鬼ごっこ、ボール蹴り等々と最初から最後まで活発に子供たちとふれあってくれた。

訪問先の親がいない、なんらかの理由で家族に見捨てられた子供たちが暮らしいる施設
はホーチミン市から幹線道路を北に1時間半ほど車で走り、路上に止めた自転車やバイクをどけてもらわないと通れない狭い路地を入り込んだ先にあった。2日目も同じ施設での活動であったが、前日に車で通った道にテーブルが並べられ食事中の人もいたので、トアンさんが道をあけてもらうためにテーブルを脇へ寄せたり、外に開いた窓を閉めたりして車を進めることができた。

初日に診療セッティング後、幼児クラスを訪れ全員が自己紹介をして、恒例の紙芝居でうちとけてもらい、診療を開始した。診療開始直後は子供たちが遊戯で盛り上がっているためか、診療受付に並ぶ気配もなく、施設スタッフの大人から始まった。最初の患者は水平智歯の抜歯希望で、僕は躊躇したが、宮松先生があっさりと抜いてくれた。しばらくして子供たちが並び始め、本来の治療開始となった。遊んでリラックスしたせいかほとんどぐずることなく治療を受けてもらい、中庭では絶えず子供の歓声が響いていた。順調に診療が進んでいったが、患者の列は途切れることがない。当初の予定では1日目は60名ということであり、ホーチミン大学から2人の若い歯科医が助っ人で参加してくれ、宮松先生、歯科衛生士の伊美さんペアが頼もしく診療する姿に気の緩んだ僕は悠長に構えていたが、途中からリセットせざるを得なくなった。準備したカルテも足りなくなり急きょコピーしてもらうことになった。結局1日目は100名を超え、2日目は半日で100名を超えて、最後は大人を断って予定の時間ぎりぎりになんとか終了できた。

いつもは少人数の隊でそれなりに工夫しているつもりであったが、今回は若い人に多く参加してもらえアイデアに富んだ活気に満ちた活動ができたと思う。
報告書
歯科医師 宮松 富士子
4回目の参加となり、多くの子供たちの治療にあたりました。

治療に入る前に、有松先生の奥様が子どもたちに虫歯予防の紙芝居をして下さいました。手作りの紙芝居は、子供の心を引きつける工夫がなされ、ベトナム語でわかりやすく、心のこもった素晴らしいものでした。

「抜歯した乳歯の後、正しい位置に永久歯が並んでいきますように」、「充填した歯が長くもちますように」と願いながら治療していきました。

今後も子供たちの治療は必要だと思いますが、今回の参加を通して、ベトナムの人々に歯磨きの大切さを理解してもらい、日常の生活の中に歯磨きを取り入れてもらうことが、重要であると感じました。

ベトナムの人々が丈夫な歯と身体を持ち、健康でありますようにと祈っています。
 
最後に有松先生をはじめ、参加された皆様方に心より感謝を申し上げます。

           
JAVDO活動報告
歯科衛生士 有松ひとみ
「ベトナムに行きませんか?」歯科に関係なく、ことある事に声をかけてきたので、今年は他職種を含むメンバー構成となった。歯科医師は東京の宮松先生と団長、歯科衛生士は昨年から2年連続参加の衛藤恵美さんと、初参加の伊美佳与子さんと私の3名。作業療法士の仲原さおりさんと柿本友彦さんが加わり、今回をさらに充実した活動にしてくれた。福岡国際空港で九州からの6名全員が揃った形となったが、瞬時に一致団結!和気藹々の雰囲気での順調な出発となった。昨年からの台北経由のフライトは待ち時間に手足が伸ばせ、免税店で目の保養も出来、かつ、二回の機内食が楽しめ快適であった。夕方、タンサンニャット空港に到着すると、出迎えの人・・人・・人・・と思ったら殆どいない!『以前は溢れるように人がいたのに・・忙しくなったのかなぁ?』ベトナムの変化を感じた瞬間だった。しかし、市内までの道のりで蟻の大群のように押し寄せるバイクに、ベトナムがはじめてのメンバーは歓声をあげ、やっと臨場感が湧いてくる。やっぱり、ベトナムは刺激的な国だと実感する。
ホテルに迎えに来てくれた沖本さんとHASPDOに行き、準備を終えていた宮松先生とニエ君と合流後事前チェックを済ませ、夕食は恒例のベトナム料理の美味しい一皿一皿に、忙しさに追われる毎日と違う非現実に心が和む。やっぱり、この国は魅力的だ。

今回の活動地は、一日目二日目共に市内中心地から車で1時間以上離れた地域にある施設だと聞く。何らかの理由で親と離れて暮らす0歳から18歳の子ども達へ私は何ができるか、不安もあるが出来ることを精一杯やるしかない。行くと案の定、迷いは吹っ飛ぶ。心が痛くなるほど子ども達は整然としておりこうで素直だ。準備した紙芝居のパフォーマンスに手をたたいて喜び、反応し、笑顔で称えてくれ、私の方が「ありがとう!」と言いたくなる。一回で終わろうとすると、担任の先生から「次のクラスはしないの?」と言われ、結局三回も行ってしまった。最後のクラスは小さい子が多いと察し、簡単な内容に急遽変更したが、思いの他盛り上がり嬉しくなる。診療は泣いて手こずる子も少なく、穏やかで静かな環境で行われたように感じたが、事前の予定受診数を大幅に越え、一日半を通じて200名以上となった。非常に良好を維持している子もいれば、永久歯が残根状態でどこから手を付けたらよいのか分からないほど悲惨な状態な子、両極端だと感じた。どこに原因があるのか、生活環境を見直すことが大切なのではと思う。そんな中、宮松先生と伊美歯科衛生士は黙々と保存治療を続け、弱音を吐かないプロフェッショナルな姿勢とお二人の体力と忍耐力に脱帽。衛藤歯科衛生士はいつも変わらぬ笑顔で子ども達の予防処置に携ってくれた。聞くとブラッシング回数が多すぎて腱鞘炎の症状が出たとの事だが、優しさは言葉を越え子ども達に伝わると感じた。また、作業療法士の二人は、走り、遊び、笑い、動き回っていた。あんなにおりこうな子ども達が、終盤は収集がつかない位やんちゃぶりを発揮した様でそれが何より嬉しく、気持ちを開放することが少ない彼ら彼女らは本当に楽しそうだった。OT最高!

2日間を終え施設長へ挨拶をした時、「貴方達は子ども達にたくさんの心を与えて下さいました。子ども達は一生貴方達を忘れないでしょう。日本をそして皆さんを一生覚えているでしょう。貴方達の優しさは子ども達の希望となるでしょう。」とお言葉を頂いた。いえいえ、頂いたのは私達です。いつもながら、最高の時間に感謝感謝です。

ベトナム歯科ボランティアに参加して
歯科衛生士 衛藤 恵美
今回、去年の9月に続き2回目のボランテイア活動に参加させて頂きました。
昨年の活動の事を、院内の新聞に取り上げて頂き、その反響から
今回は病院から「ボランティア休暇」という特別休暇で参加しました。
又、昨年同様、病院のスタッフ、入院患者さんが折り紙で、駒と紙風船など合計100個以上を子供達にと織ってくれました。
病院のみんなの想いを胸に、1日目の活動では、今回初めて参加する作業療法士(OT)の中原さんと柿本君の二人に折り紙を託し、予想を超える人数に汗をかきながら、現地通訳のアンちゃんにサポートしてもらい100名近い子供達の私は歯磨き指導とフッ素塗布に奔走していました。そんな中、外で楽しそうにOTの二人と遊んでいる子供達。
日本から持ってきた、折り紙の駒を回して遊んでいる子供達を見て、私は胸が熱くなりました。この光景を折り紙を織ってくれた入院患者さん・スタッフにしっかり伝えようと
目に焼き付けました。
2日目も元気な子供達と遊ぶOT、歯科治療では東京から来られた宮松先生とDH伊美さんの息のあったペアの診療、有松団長夫婦とミミ先生の治療が子供も大人もたくさん並ぶ待合所からはけていきました。
そうなると、私とアンちゃんペアのフッ素塗布コーナーも忙しくなるのですが
前日同様、アンちゃんのすばらしい動きで、順調に終わりました。
今回も、現地でコーディネイトしてくれた沖本さんとニエ君。
お二人のおかげで、とても有意義で楽しいベトナムでの活動となりました。
そして、何より、私達団員に対して、温かいケアをしてくれる有松団長夫婦。
又、来年の一緒に活動できることを楽しみに日々頑張っていきたいと思います。
JAVDOの活動に参加して
歯科衛生士 伊美 佳与子
初めておりたつベトナムの地での活動。ベトナムに着いたときから、バイクの多さと交通事情に興奮の連続でした。
ベトナムの食事もおいしく、団の雰囲気もよく、日本とはまた違う疲労感を感じながら、活動に参加できたことに感謝します。暑さの中、無心に宮松先生の補助につけたのは、治療が終わると、笑顔でお礼の言葉をかけてくれるベトナムの子ども達がいたからです。通訳の子に習った私のつたないベトナム語。発音の難しさを痛感しました。通訳の子達に感謝です。そしてこのような活動に参加する機会をくださった有松先生、ひとみさんに感謝です。ありがとうございます。ベトナム、ありがとうございます。
活動報告
仲原 さおり
私は以前から海外ボランティアに興味があり、縁あって今回、歯科ボランティアに参加させて頂くことになり、作業療法士としても何か出来ることはないかと考えました。孤児や貧しい子どもたちが対象であるとの事は聞いていたので、物がなくても、新聞紙やロープなど家庭にありそうなものを中心に楽しめる遊びを伝えて子供たちの楽しみが生活の中で増えるといいなぁと考えていました。実際に、子どもたちはどんな遊びでも素直に喜んでくれ、キラキラした笑顔には本当に癒されました。
終了後に有松先生から「遊んでくれたおかげで子供たちの診療がしやすかった」とのお言葉を頂き、遊びを子供たちに伝えられただけでなく、歯科治療に対する恐怖心を和らげ
る手助けを出来たことがとてもうれしかったです。
ぜひまた、参加させて頂ける時には、遊びだけでなく、口腔衛生の教育に関した遊びもなども取り入れられるよう挑戦してみたいと思います。
海外ボランティアに参加して
柿本 友彦
1、 はじめに
今回、9月20日から24日ベトナムのホーチミン市に行き、ボランティア活動に参加した。歯科医師・歯科衛生士・作業療法士(以下OT)が参加し、郊外にある貧しい子供たちや親がいない子供たちが暮らし、通っている施設で活動を行った。私はOTとして子供たちに遊びの提供を目的に参加した。

2、 実施内容
 玉入れ、縄跳び、ボール遊び、折り紙、塗り絵、ビーズ細工などを1歳から14,5歳の子供と遊んだ。こちらから、提供するだけでなく現地の遊びも一緒に行った。活動日数は一日半だったが、多くの子供たちと一緒に遊ぶことが出来た。

3、 感想
 初めての海外で子供たちと一緒に遊ぶという事に対し、不安が強く自分なりに準備に力を入れた。しかし、実際に子供たちと触れ合う中で、子供たちのパワーに圧倒され、思うようにはいかなかった。私はベトナム人という“外人”扱いの感覚があったが、日本の子供と大きな違いはないと感じた。順番やルールは守れず、目の前の「興味」に向かって走る姿は我々も通った時期ではないかと考える。友達と競争し、物を取り合い、喧嘩をすることやはたや一緒に本を読む、自分より小さな子供をあやしてあげる気持ちのいい光景も見られた。その中でも、やや物への執着心は強いという差があるのではと感じた。貧困や物や少ないという背景が子供へと影響しているように思えた。
 考えさえられたのは、親が迎えに来てくれる子供と奥の施設に暮らしている親の迎えが来ない子供たちの違いを見た時だった。遊んでいる最中はみんな一緒に夢中になって遊んでいた姿も、隠れている心の傷には違いがあるのではと感じる。その中で、心と体を治療する我々OTが知恵を出し合い、楽しい時間を提供できたのは非常にやりがいのある活動だった。我々だけの思い出になるのではなく、子供たちにとって心温まる思い出になってもらえていれば嬉しい。今回の活動では人に喜んでもらえた充実感と日本の豊かさに気付かされた。人の役に立つことがこれほど気持ちを満足させ、明日からの活力に変えてもらえることかを体感した。自分が対象とする障害者・高齢者になり役割を失った方に対して人の役に立つ、何らかの役割があるという経験を通し、患者様の心身のリハビリを促せるよう作業療法士としての技術を磨きたい。




特定非営利活動法人 日本歯科ボランティア機構