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第67回派遣報告
団長:  橋本 昌美
団員: 歯科医師 岡田 弥生
黒瀬 尚利
現地歯科医師 Lam Dai Phong
歯科衛生士 早川 由希
椎谷 瞳
泉谷 育代
岩崎 茉美
現地サポート 沖本 麻貴

 
活動年月日 2011年6月26日 2011年6月27日
活動場所(施設名等) Binh An Huy Center
in district 8
Te Phan Shelter
in district 3
午前の部 午後の部 午前の部 午後の部
時刻 開始 9時00分 13時00分 9時00分 13時45分
    終了 12時00分 15時30分 12時00分 15時45分
派遣団員内訳
  歯科医師 3人 3人
  歯科衛生士 4人 4人
  その他
子ども達との交流
検診人数 122人 110人
処置した人数 54人 52人
処置内容
  抜歯 41歯 30歯
  充填(レジン) 4歯 3歯
  充填(アイオノマー) 59歯 38歯
  その他(単治、感根処、抜髄等) 1歯
歯科衛生士の活動
   ブラッシング指導・口腔内清掃 62人 58人
   歯石除去  1人 7人
    フッ素塗布
   口腔衛生啓蒙活動(紙芝居)





8回目となるベトナムへ、第67回派遣団『関西チーム』を結成して
京都市伏見区 こがはしもと歯科医院 橋本昌美
 3月11日の東日本大震災により、被害に遭われた地域の皆さまにおかれましては、心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧をお祈り申し上げます。
 この派遣予定スケジュール、毎年2月頃にそれぞれの団長予定者が、日程を出し合って決めています。今年度、初めてとなる今回の第67回派遣団の日程も、黒瀬尚利先生(後述)と相談をして震災前に決めていました。正直、悩んでしまいました。我が国・日本国内で、あのような震災が起こっている状況で、他国へボランティア活動に行っている場合かと…。
 東北の現地へ、ボランティア活動に行きたい。何か、歯科医師としてお手伝いをしたいと考えていました。しかし、ひとりがそう思っても活動は出来ません。それは、このJAVDOでの活動を知っているから、よく理解しています。結局、京都府歯科医師会へ震災歯科医療ボランティアの登録を済ませました。
私たちが今、出来ることを的確にすることが、何よりも大切なことです。予定通り6月25日からの8回目となる派遣を決めました。今回は昨年、『海外での歯科医療ボランティア活動団体の講演会』で知り合った、兵庫県三田市の黒瀬先生と一緒にスケジュールも決めて、また新たな『関西チーム』として活動出来る喜びもありました。
 変わって、厚生労働省・日歯の要請で4月10日から1週間、京都府歯科医師会から3名の先生方が、歯科医療ボランティア活動に宮城県へ行かれました。私達の伏見からも、3名で一緒に行こうと話していた先生がいて、その後、京歯から第2陣・3陣の要請があり、6月19日からの1週間の派遣となりました。『関西チーム』派遣団と日程がダブってしまって、伏見から2名の先生が宮城県へ行かれました。行く場所は違うけれども、それぞれの場所で望まれる歯科医療を進めようと心に決めました。
 5月に理事長の藤岡先生からの御紹介で、岡田弥生先生の参加が決まり、歯科医師3名・歯科衛生士4名の『関西チーム』が結成出来ました。
毎年、貯まったJALのマイルで渡航していますが、今回から関空発の直行便(JAL5947便)の設定がなくなってしまい、早川と私のふたりは前日24日、伊丹発成田経由でホーチミンシティへ向うことになりました。そして25日16時、集合場所のダクストンホテルロビーに、岡田先生、黒瀬先生、泉谷さん、関空発の当医院の椎谷と岩ア、そして沖本さんらとお会いすることが出来ました。
活動は2日間とも、昨年もお手伝いをしていただいたLam Dai Phong先生をはじめ、ホーチミン大学歯学部の先生方も御協力をいただきました。特に二日目、かなり大きい齲蝕にCR充填を希望され、充填したものの数時間後に自発痛が出現して、Lam Dai Phong先生にお願いをし、抜髄処置をしてもらった時は大変助かりました…。
今回、初めてご参加下さいました岡田先生や黒瀬先生は、永久歯の抜歯に戸惑いも感じておられましたが年々、口腔内の状況は良くなっていると、私は感じています。もちろん継続した治療が可能であれば、抜歯を避けたいのは、JAVDOに参加させる全ての先生方の思いですが、今ここで現地の皆様に望まれることをしなければなりません。いろんな考えがあるとは存じますが、私は続けていくことに意義があると思っています。
半ば強制的(笑)にご参加いただいた黒瀬先生、昨年に引き続きの2回目の泉谷さん、そして岡田先生、大変お疲れ様でした。必ず年1回、お会い出来る様になった沖本さん、ニェ君、6月28日には当医院の歯科衛生士の観光でも大変お世話になったLam Dai Phong先生、理事長の藤岡先生、その他関係の皆様に、いつもながら感謝申し上げます。ありがとうございました。
また来年も、黒瀬先生とともに他の先生にもお声を掛けて、是非ご一緒しましょう。それまでに私は、東北へも行きたいと考えています。
ベトナム報告感想
 岡田 弥生
昔「尊敬する人は小田実」と答えていた私はベトナム戦争には関心があり、超大国アメリカに勝った唯一の国ベトナムに一度は行ってみたいと思っていました。
海外医療協力は高校時代(1972年)にJICAの視察で東南アジア諸国を訪れたこともあり、名古屋大学での大学院時代にはアジア保健研修財団の活動に参加したり、JAVDOの活動にも関心はありましたが、日程が合わず今回、念願かなって初参加させて頂きました。
子どもの口の中を覗いていれば幸せで、250人以上を診せて頂いたのは楽しい体験でしたが、充填か抜歯かのオーダーは苦しい選択でもありました。判断に迷い「橋本先生のご判断で」と留保したまま回したケースも多く、いろいろご迷惑をおかけしたかと思いますが、腕の良いお2人のドクターと、きびきび働く4人の歯科衛生士さんのおかげで充実した2日間を過ごすことができました。現地でお世話になった沖本さんや関係各位に心よりお礼申し上げます。

初めての海外歯科医療ボランティアに参加して
兵庫県三田市 黒瀬歯科クリニック 黒瀬尚利
以前から興味を抱いていた海外での歯科医療ボランティアに念願かない初参加しました。日々開業医として、日本人の口腔内は毎日診る機会はありますが、外国人の口腔内はほとんど診る機会がないのでとてもわくわく楽しみにしていました。
今回対象は子供が中心でした。近年発展目覚しいベトナムですが、まだまだ発展途上国のイメージがあり残根だらけの悲劇的な口腔内を予想していましたが、実際に診療がはじまり口腔内を診察していくと子供たちの口腔内状況は思っていたほど悪くはないと感じました。私が日ごろ診療に従事している兵庫県三田市の小中学生の口腔内の状況を、仮に 上は健康なグループ 中をまずまずのグループ 下を悪いグループ に分けたとしますと、ベトナムの子供たちの口腔内の平均的な状況は、下の上あたりかなというイメージを持ちました。
しかし、日本と大きく違うなと感じたのは健康保険制度です。現地のコーディネーターの方に多々教えていただきましたが、ベトナムの健康保険はあるにはあるが日本とは比べ物にならないくらいカバーしている範囲小さすぎるとの事、それゆえほとんど使う機会がなく、きっちりした治療というのはほとんど高額な自費診療になってしまうという事をお聞きしました。それゆえ歯科への受診機会はほとんどなく、また継続して歯科医院へ通院する事ができないため、ボランティアのたった1日の治療でできることは、「穴のあいたところへ詰める」か、それができなければ抜歯の2種類に限定されてしまします。以前にくらべれば口腔内の状況も良くはなってきているとお聞きしていますので、今後このJAVDOが発展し、ベトナム人の口腔内の健康に寄与できれば素晴らしいと思います。

最後に“ボランティア”というものは、必要とされている限り続けなければ意味がないものだと実感しました
ベトナムへのボランティアに参加して
こがはしもと歯科医院 歯科衛生士 早川由希
 私は今回3回目の参加でした。事前の準備では泉谷さんと分担して物品を用意しましたが、現地の在庫がはっきり分からず不安な部分がありました。到着してみると、やはり在庫がある物を持参していたりしました。物品については伝達がうまくいくことが大事だと思いました。口腔内の状態は様々でしたが、カリエスフリーの10代の方が少し増えていたように感じました。
伺った施設の方には食事などを私たちのために時間をかけて用意していただいたり、現地の歯科医師の先生にはせっかくのお休みに観光案内までしていただいたり、本当にお世話になりました。また、先生方、泉谷さん、沖本さん、ニエさんと一緒に活動できたことに感謝申し上げます。ありがとうございました。
ボランティア活動に参加して
こがはしもと歯科医院 椎谷 瞳
私は、今回のボランティアに今年初めて参加させていただきました。
治療はほとんど抜歯か充填でしたが、以前に院長や先輩に聞いていたイメージでは、抜歯がすごく多いように感じましたが、今回は充填での処置やスケーリングなども多いように感じました。
怖がって泣いてしまっている子らに声をかけてあげたくても言葉が通じず、もどかしい気持にもなりましたが、ベトナムの子供たちはみんな素直で、笑顔が素敵な子供たちばかりで、逆にこちらが励まされました!          
私がこれから生きていく中で、こんなに貴重な体験ができることはないと思います。本当に素晴らしい活動に参加させて頂き、ありがとうございました。
関西チームとしてベトナム歯科医療ボランティアに参加して
黒瀬歯科クリニック 歯科衛生士 泉谷育代
今回で2回目の参加です。今年は院長と共に参加することができました。
活動する場所は一日目、二日目ともに別の場所での活動でした。昨年と比べ、すこし裕福な生活層のところだったように思います。活動場所の周辺にある住宅や道路などがきれいだと思いました。
昨年の経験により、診療準備も順調にできたように思います。いざ始まってみると、なんだか受付に人だかりが・・・今年は結構多かったです。
 今回の私の役目は抜歯のアシストでした。訳も分からず麻酔をされて歯を抜かれている子供たちの姿をみて、恐いだろうなぁと思います。しかし子供たちは強いです。確かに泣きます。ですが、お母さんにじっとしなさい。泣かない。口あけて。などと怒られながらも、あまり暴れずに処置を終えていくのです。えらいなぁと感心してしまいました。
抜かれていく歯を見るとやはり悲しくなります。抜歯が必要な事は十分に理解しているが、痛い歯を処置しているだけでは歯はなくなってしまう。予防して健康な歯を守ることができれば、もっともっと抜歯の数が減っていくだろうと思うのです。
橋本先生から、先生らがボランティアを始められた頃から比べると、抜歯しなければならない歯は減っているとお聞きし、これからも少しずつでも抜歯される歯が減ることを願います。

今年も現地の歯科医師Lam Dai Phong先生と再会することができました。最終日、先生のご厚意によりホーチミン・シティを案内して頂きました。そのおかげで昨年よりもっと、お話することができました。
会話の問題「英語」も昨年よりは理解できたかな…。
初めてベトナムでの歯科医療ボランティア活動に参加して感じたこと
こがはしもと歯科医院 岩ア茉実
私は今回初めて、このボランティアに参加させて頂きました。行く前までは具体的にどんな場所でボランティアをするのだろう…とか、私でも役に立てるんだろうかと思っていましたが、実際に行ってみるとそんなことを考える暇もない位に沢山の子供達が治療に来てくれました。初めて見る機械や知らない国の言葉にちょっと緊張している子もいれば、カメラを向けると笑顔でピースしてくれる子もいたり、みんなすごく素直で可愛かったです。終わると保護者の方と一緒に、ありがとうと言ってくれる度に本当に今回ベトナムに来て良かったと思いました。

正直、歯科衛生士になって自分が海外でこのような活動をするなんて思ってもいなかったし、こんな活動があることも知りませんでした。でも今回参加して日常の診療では経験できないことを経験できたこと、この活動に携わり協力してくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。ボランティアに行った私自身が逆に多くのことを感じさせてもらえました。今回だけではなく、是非これからも継続して参加できたらと思います。




特定非営利活動法人 日本歯科ボランティア機構