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第63回派遣報告
団長:         鎌田 靖
団員: 歯科医師 長瀬 隆之 中野 慎一
野本 恵子 水藤 雅彦
針谷 宜宗 福井 秀則
高野 将太 杉浦 由莉
歯科衛生士 東 清美 松山 幸代
川畑 佳奈 菅原 志保
その他 佐々木 貴大 野本 絢香
現地サポート 沖本 麻貴

 
活動年月日 2010年7月17日 2010年7月18日
活動場所(施設名等) TRAM Y TE PHUONG TRI DONG TRAMY Y TE PHUONG TAN TAO A
午前の部 午後の部 午前の部 午後の部
時刻 開始 14時00分 8時50分 13時30分
    終了 16時50分 12時05分 16時15分
派遣団員内訳
  歯科医師 9人 9人 9人
  歯科衛生士 4人 4人 4人
  その他 1人 2人 2人
子ども達との交流 129人 141人 106人
検診人数 129人 141人 106人
処置した人数 128人 141人 106人
処置内容
  抜歯 75歯 83歯 40歯
  充填(レジン) 9 15歯 18歯
  サホライド 152歯 191歯 166歯
  感染根管処置 1歯 1歯
  抜髄 1歯 1歯
歯科衛生士の活動
  紙芝居(保健指導) 約100人 約120人 約90人
  歯石除去 7人 6人 2人
  フッ素塗布 11人 18人 17人





『第63回派遣を終えて』
団長  鎌田 靖
診療地は2日間ともBinh Tan区で、1・2日目それぞれ別の地域の医療センターにて周辺住民の子供達に対し、両日合わせて376人の治療を行った。団員15名の大所帯で臨んだので、診療自体はそれほど混乱することもなくスムーズに行えた。(大人数を揃えて来て、良かった〜!)口腔内状況は、カリエスを多数認めたが治療痕(サホライド)が多くあり、ある程度う食進行抑制のコントロールはなされていた。ホーチミン市内ということもあってか、多数の子供たちは歯科治療は受けているようで(と言っても痛みがヒドイ時のみだが・・)、「目も当てられないヒドイ状況」ではなかった。

一昔前に比べると、『口腔内全滅!!』のような症例は少なくなってきており、また親も以前はほとんどが「抜いてくれ」と言っていたのが、「抜かないで」「詰めて治して」などの要望が多かった。ベトナムの人たちの口腔内状況や意識が徐々に変わってきているような気がする。
今後の課題として、我われの治療方針や診療体制も、『抜歯ありき』ではなく、今一度見直す必要があると感じた。

《追記》 〜最後の最後に、大ハプニング!〜


帰国日のタンソンニャット空港。皆でお茶でもしようとエスカレーターに乗っていると、「キャ〜、ぎゃー・・」と悲鳴・叫び声が。3階に上がると外国人男性が倒れており、周りに人だかりが出来始めていた。側に居た人が胸骨圧迫を始めるのが見えたが、明らかに素人。「こりゃ、いかん!」と思い、ダッシュで駆けつけ交代した。バイタルを確認すると、意識なし・呼吸なし・脈なし!すぐにCPR開始。
胸骨圧迫しながら、空港警備員に「AED持ってきて!救急車を呼んで!」と日本語・英語で叫んだが、解っているのか、いないのか、何やら無線で話はしてるが、ソワソワ、モタモタ。思わぬ緊急事態に固まっているのか・・・。ラチがあかず、佐々木さんがJAL職員を呼びに、衛生士達がAEDを探しに走りだした。
程なくJALのCAと地上職員の方が駆け付けてくれたので、状況を説明。すぐに無線で各方面に連絡・手配をしてくれた。居合わせた日本人医師も加わり、5人でひたすらCPRを続ける。間もなくして、空港駐在のベトナム人医師がやって来た。「お前ら邪魔だ!」と言わんばかりの態度で我々を払いのける。(ちょっとムカッ!)脈を診て、また脈を診て、またまた脈を診て(不馴れな手つき。どうも怪しい・・)、BVマスクを取り出しシュッシュッシュッと超高速換気(このDr大丈夫かっ・・)その後に胸骨圧迫ならぬ腹部圧迫。(こりゃ、ダメだ!)無理やりどかせて(ちょっと可哀相だったが)、我われでCPR再開。探しに行っていた衛生士とJAL職員が戻り「この空港にはAED無いみたいです」。(マジ〜!)ベトナムDrの持ってきた鞄を見ても、アドレナリン、リドカインなど使える薬は一切なし。注射筒、輸液セットすらなく、日本人Drと二人で唖然・・。JAL職員が「飛行機にあると思うので、持ってきます!」と走って行ったが、「すみません。ありませんでした・・。」(ナヌー、JALまでーっ!)仕方なく、ひたすら胸骨圧迫と人工呼吸を続ける。30分ほど経過してやっと救急隊が到着。ストレッチャーに乗せ、胸骨圧迫を続けながら救急車まで送り届けるが、そこでまたビックリ!救急車は何も器材等を積んでいない。サイレンが付いてるだけの、ただのバン。呆然としながら見送る。あとには、疲労と虚しさだけが残った。その後の安否は全く不明だが、何とかご回復されている事を願ってやまない。
『JAVDOホーチミン派遣に参加して』
歯科医師 杉浦 由莉
今回初めてJAVDO派遣活動に参加させていただきました。出発前は海外で、言葉の通じない子どもたち相手に、自分がどの程度役に立つことができるのか、少しでも貢献に繋がるのか、ベトナムという国も初めてで、不安や心配な気持ちを抱え出発しました。

今回私たちが活動する場所となったのは、ホーチミン市街より車で一時間ほどのコミュニティでした。車で現地に到着すると、徐々に気温も上がり始め、まだ準備の整っていない施設に子どもたちやそのお母さんたちが私たちをすでに待っていました。その光景に息をのみ、私は自分たちに課せられた使命を再認識しました。派遣に参加する前からお話は聞いていましたが、ベトナムの子どもたちが私たちを心待ちにしていたことを身をもって実感しました。自分にどこまでその期待に応えられる診療や治療ができるか分からないけど、限られた時間、環境の中で、器具も器材も十分にはないけれど、できる限りの最良の事をしてあげたいと、診療が終わって子供たちが帰るときには、笑顔で帰してあげたいと思いました。

極暑の環境で、言葉の上手く伝わらない環境で、いつもの診療室とは違う環境でも、必死に楽しみながら診療に集中することができたのは、今回一緒に同行させてもらった、鎌田団長を始めとする歯科医師、歯科衛生士、現地の通訳の方みなさんの協力するチームの力のおかげだと思います。一緒に活動した時間は5日間と非常に短いものでしたが、共に協力し合い、助け合い、乗り越えることができた活動だったと思います。特に私は、歯科医療現場での経験も浅く、JAVDO活動も初めてということで、諸先輩の先生方にはご迷惑をかけました。それにも関らず、たくさん心のこもった指導をしていただき、困った時には助けていただき、大変貴重な経験をさせてもらえたことを、心から感謝しております。

今回この活動に参加させていただいたことは、私にとって今後の糧となり、励みともなりました。また機会がありましたら、ぜひ参加したいと思っております。最後になりましたが、今回この活動に参加する機会を与えてもらったことを心から感謝しております。
ありがとうございました。
『ベトナム ボランティア活動を経験して』
歯科衛生士 菅原 志保
 私は、今回ベトナム(ホーチミン)での歯科ボランティア活動に参加させていただきました。初の海外そして、異国の地での活動だと思うと直前まで緊張と不安でいっぱいでした。ベトナムは想像していた以上に熱く、ジメジメとした空気で北海道では感じたことのない環境と慣れない食生活に戸惑いました。しかし、参加された他院の歯科医師や歯科衛生士の方々がとても親切な方ばかりだったので何とか過ごすことができました。

歯科診療が万全にできる環境ではない場所で持ちよった材料や器具を使用して行う診療はとても大変でした。また、言葉が上手く伝わらないこともあり、普段は何も感じず当たり前のように行っていることができないということがどんなに大変か痛感しました。一日に120人ぐらいの子供を診るので迅速力と頭をフル活動させながら周囲をよく見て行動することを心がけていました。そのうえでベトナムボランティアに参加している先輩方の動きをみてその時の状況で臨機応変に行動しなければならないことや事故を起こさないためにも声掛けや意思表示をしっかり行うことの重要さを学びました。

私は、今回ベトナムボランティア活動に参加させていただいて本当に良かったと思っています。北海道内で同じ職業をしている方々との出会い、交流そして海外(歯科治療があまり発展していない地域)での貴重な歯科診療を体験することができたからです。ベトナムでの食事には苦労しましたが、機会があればまたベトナムボランティア活動に参加したいと思っています。

今回私たちを率いていただいた鎌田団長をはじめ歯科医師、歯科衛生士の方々、ベトナムの通訳の方々・・本当にお世話になりました。
また、お会いできることを楽しみに今回得たことを診療で生かして頑張っていきたいです。




特定非営利活動法人 日本歯科ボランティア機構