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第51回派遣報告
団長:        鎌田 靖
団員: 歯科医師 中野 慎一
永井 美也子
安部 圭太郎
森下 達夫
吉川 修平
高野 将太
村上 知枝
山本 良太
歯科衛生士 川畑 小夜
佐々木 愛
山田 環

 
活動年月日 2008年11月22日 2008年11月23日
活動場所(施設名等) Benh Vien Da Khoa Huyen Yen
午前の部 午後の部 午前の部 午後の部
時刻 開始 12時30分 8時30分
    終了 17時00分 13時00分
派遣団員内訳
歯科医師 9人 9人
歯科衛生士 3人 3人
その他
子供達との交流
検診人数 142人 195人
処置した人数 142人 195人
処置内容
抜歯 84歯 127歯
サホライド 153歯 108歯
充填   25歯 16歯
その他 (小帯切除、他 2人
フッ素塗布 8人 19人
歯石除去 10人 14人

『第51回派遣団inハノイ』
団長  鎌田 靖
 昨年11月に引き続き、2回目のハノイ訪問。ノイバイ空港に降り立つと、東南アジア独特の臭いは少なく、北海道からやって来た私でも肌寒く感じるぐらい涼しい。ホーチミンとの違いに、日本同様ベトナムも南北に長い国であることを実感する。
 診療はNam Dhin省Y Yen県(ハノイからバスで2時間)の県立総合病院(といっても、かなり貧粗だが・・)の歯科診療室(8畳程に骨董品のユニット2台)を借りて行った。当地はNam Dihn省でも一番の低所得層地域と聞いていたので、劣悪な口腔内状況を想像していたが、「決して良くはないが、それ程悪くもなし」といった感じであった。(あくまでベトナム基準ですが・・・)
途中、同院のベトナム人歯科医が怒鳴りまくりながら乱入し、幾度も暴れて診療妨害を受けるというハプニングがあった。どうやら、ここには自分が存在しているのに『縄張り』に日本から大挙してやって来て治療を行っている事。また、それを自治体関係者・病院職員・地域住民らが歓迎し、喜んでいたのが気に入らなかったらしい。病院長らは恐縮し、我々にかなり気をつかって頂いた。後で話を聞くと、少々性格に難のある人物らしく、普段から何かと手を焼いているらしい。「日本と同じで、ベトナムにもいろんな人がいるもんだ!」とその時は思ったが、帰国した今、彼の事を考えてみると「プライドを傷つけてしまったのかなー?」「なんとか協調して、一緒に出来る方法があったのではないか?」等々、いろいろ反省をしている。 
今回はいつにも増して、何かと考えさせられることの多い派遣だった。
『活動に参加して』
歯科医師 村上知枝
日本に戻ってきて早数日が経つが、ベトナムでの出来事がすでに懐かしく感じる。このボランティア活動に参加することは今年の念頭から決めていた。自分が今年最もやりたかったことの一つ。以前からJAVDOのことは知っていたが、今年の初め実際にJAVDOに参加された方の活動報告を聞いたことがきっかけで、参加を決意した。
今までも、ボランティア活動にはなんとなく興味があったが、実際に行動したことはなく、募金程度。ここ数年、何事も経験してみようという精神が芽生えていたので、これはきっと今年参加しなければ、今後参加することはないだろうと思い、知り合いの先生を頼って参加にこぎつけた。
 出発日が近づくにつれて、緊張が高まっていき、はやく終わってほしいという思いと、一体どんな感じなのだろうかという不安、ほんのわずかな期待でいっぱいいっぱいの状態だった。そんな状態を引きずったまま、いざ診療開始。噂には聞いていたが、ものすごいハイペースで大勢の子供たちを診ていく。初参加ということでみなさんの足をひっぱらないように、いかにスムーズに進めるかで一生懸命だった。 自分の順番が回ってきて、イスに座った子の目を見て、なるべく恐怖を与えないように、なるべく笑顔で接することを心がけ、日本語ではあったものの、“大丈夫だよ”などと声をかけ、上手にできた子は頭をなでるなど、途中でふと、他の先生方の真似をしている自分に気付いた。結局日本でもベトナムでも、子供への接し方は同じでいいんだ。
でも、ほとんどの子達にとっては、人生初の歯科診療。しかも相手は外人。これから何をされるのだろうか、自分は一体どうなってしまうのだろうかという不安でいっぱいだったはず。それにも関わらず、じっと自分の順番を待ち、シンマをされている時も手をグーにして耐え、抜歯後にガーゼをぎゅーっと噛んで去っていく彼らの姿を見ると、日本の子供よりもずっと小柄だけど、中身はとてもしっかりしていて、そうせざるを得ない状況なのかと思うと、少ししんみりしてしまった。そんな、日本では考えられないような状況の中での診療も、“がむしゃら”にしていたらあっという間に終わった。30歳にもなって、こんなに“がむしゃら“に物事に取り組むなど思っていなかった。終了後に飲んだぬるい水が、ものすごくおいしく感じた。鎌田先生が最後の子を見たときに、”これで終了です“と言った時の達成感は、ここ数年で味わったことのないものだった。
 帰国後に、今まで通りの自分の仕事に戻った。当たり前だが、ベトナムでの診療との違いに驚いた。なんて恵まれた環境で働けているのだろう。物理的にも、精神的にも。  明るいライトで口腔内がはっきりと見え、丁寧に治療を行えて、患者さんとの意思疎通も問題なくできる。また、患者さんの望んでいることと、自分がこうしたいと思うことが合致して、一緒に頑張っていこうと思える。ベトナムへ行くまでは当たり前に感じていたことが、実はとてもすごいことなのだということに気付けた。あの子供たちのおかげで。久々に歯科医師になって良かったと思えた。自分がこの仕事に就いていなければ、今回の経験はできなかったし、自分が歯科医師であったからこそ、こういう形で大勢のベトナムの子や、JAVDOの参加者の方々と関われた。なんだか、今回のことがきっかけで、改めて色々なことに感謝した。当たり前に行われていることが当たり前ではないということや、自分が大勢の人に支えられているんだということに気付けた。
今回のこの経験は、自分史上、かなり大きな出来事になったようだ。参加させていただいて、本当にありがとうございました。
『感想文』
 DH 川畑 小夜
実際にベトナムという国を訪れ、皆さん同じだと思いますが、バイクの多さ、乗り方、食事の違い、アバウトさ(笑)等々に驚き。どこの国も格差はありますが、戦争を知っている世代の方々からすれば、今のベトナムは戦後の日本を思い出させるように感じました。まさに映画「三丁目の夕日」の世界です。
日本語学校の先生のおっしゃる通り、今の日本人が忘れてしまっている、ピュアな心をベトナムの人達は持っている。日本人として悲しい事ですが、改めて感じました。物が豊かになった分、心が貧しくなってはあまりにも寂しいですね。良い所も悪い所も全て体験してほしいと、我が子を思うように、学生さん達に旅に出掛けるチャンスを与えようとしているロイさんご夫婦や一緒に頑張られている大人の方々は素晴らしいです!!
そして、驕ることなくその期待に応えようと頑張っている学生さんも素敵です(*^_^*)
診療は大変でしたが、初めての麻酔経験で泣いている子供達にドクター方々が優しく接し、日本では考えられない診療状態でありながら、上手に処置なさっておられ、すごいなぁと感心しました。私は若い衛生士さんお2人に助けて頂き、本当に感謝しております。
一人では何も出来ない、皆で力を合わせれば何とかなる。何か自分に出来る事があればさせてもらい、そのことで喜びを感じさせてもらう。お互い様の気持ちを改めて感じさせて頂いた活動でした。本当に良い出会いに感謝です!ありがとうございました!!
子供の笑顔は素晴らしいのは、世界共通でした。
『JAVDOハノイ派遣に参加して』
歯科衛生士  佐々木 愛
今回、栂安院長に機会を与えていただき、念願のJAVDOボランティア活動に参加させていただくことが出来ました。歯科衛生士の仕事をしていてもこのような活動に参加できるチャンスはなかなかあるものではなく、そのチャンスが衛生士歴2年目にして巡ってきた事をとてもラッキーだと感じました。ハノイに向かうまでの準備の段階では現地での診療のイメージができず、また当院から参加するメンバーは皆ベトナム初体験だったので不安も多くありましたが、それ以上に私たちが来るのを心待ちにしているベトナムの子どもたちのことを思うと楽しみでもありました。
 現地に着くと、たくさんの子どもたちの笑顔が私たちを迎えてくれました。限られた設備や器具器材の中で行う治療、少人数のスタッフ、通じない言葉など、厳しい状況下ではありましたが、だからこそ「子どもたちのお口の環境を少しでも良くしたい」という一つの目標に向かって働くメンバーとのチームワークを常に感じながら仕事ができたように感じます。今回出会う子どもたちに再び歯科治療を提供できる可能性は極めて低いかもしれませんが、それだけにこの1回の治療でできるだけのことをしてあげようとするチームの皆さんの姿勢に、その人のために最善を尽くすという医療者としてのあるべき姿を学ばせていただいたように思います。このボランティア活動では診療からだけではなく、チームの皆さんや活動に協力してくださった現地の方、またベトナムの子どもたちなど、人との出会いから学んだこともたくさんありました。
 特にこの5日間、素晴らしい経験をすることができたのは、団長の鎌田先生をはじめ、チームの先生方、歯科衛生士の方のおかげだと心から感じています。本当にありがとうございました。
機会があればぜひまたこの活動に参加してベトナムの子どもたちに会いに行きたいと思います。
「一期一会と一生懸命」
歯科医師  吉川修平
僕はこの5日間をずっと忘れない。僕にとってこのベトナムボランティアで過ごした
5日間は全てが新しく、全てが刺激的でかつ日本の診療で学ぶ何日間もの事が凝縮された時間でした。
 今回、つがやす歯科医院からは4名(歯科医師2名(うち研修医1名)、衛生士2名)のスタッフが参加させていただきました。僕を含め全員がベトナムボランティア初参加であり、また歯科臨床経験も浅い者ばかりだったため、準備が滞りなく行えているか、またベトナムでの診療において御迷惑をおかけすることはないだろうか、戦力として働くことができるのか・・・等々、出発前の不安は非常に大きなものでした。そして、それを取り除いてくれたのは診療を待つ現地の子供達の笑顔や元気な姿でした。その姿は日本の子供達よりひたすらに元気でより純粋だった様に思われます。子供達の笑顔を通して今回僕は多くの事を学びました。「歯科医療における責任と尊さ」、「誰が為に医療はあるか」そして「親が子を思う心。人が人を思う心は世界共通である」ということ等々。今回治療を受けた多くの子供達は歯科治療が初めてだったり、次に治療を受けられのはいつになるのかわからないといった子供達ばかりです。その出会いはシンシャオ(:はじめまして)からはじまるほとんどが一期一会の出会いでした。その事があり「この一期一会の出会いに、この子供達に何ができるのだろうか。この子供達が明日からまた笑顔で暮らせるために自分が今何をするべきなのか」ということを考えながら純粋にただ一生懸命診療を行えました。また、こんなにも待ちに待たれて歯科診療を行なうという経験を毎日の臨床で経験することはなかなか無く、その責任感や使命感を感じながらの診療は医療人としてどうあるべきかということを再度思い出させてくれました。その事は本来歯科医師として日常臨床の上で当然持っていなければいけない心なのかも知れませんが、日本の忙しい時間の中でどこか職業としての歯科医師という意識の中に埋没していたように思われます。また、そんな現地の子供達以上に待ち望んでいただいていたのが子供達の御両親でした。自分の子供の歯が虫歯で痛いからみてくれという御両親の切な想いは、言葉はわからなくてもそれが何であるかは日本人である僕にも十分伝わるものでした。親が子を思う気持ちや、人が人を想う気持ちは尊く、またその心は世界共通であり、その心に応えることもまた医療人としてあるべき姿であるということを再認識した様に思います。
 こうしたことを通してベトナムは僕に本来医療はそれが患者さんのためにある行為であり、また誰かを良くしよう、誰かのためにという想いのもとで行なわれるものであるという事を教えてくれた様に思います。本当に使命感や責任感、そして何より充実感や達成感に充ちた5日間でした。こんな素晴らしい時間を医療人として歩み始めて間もないこの時期に過ごすことができこのような貴重な経験をする事ができたのも、当院の院長である栂安先生、また今回団長として未熟な僕達を支えていただいた鎌田先生、同じチームとして僕達のフォローをしていただいた先生方やスタッフの方々、ならびに関係者の方々のおかげであり心から感謝しています。そしてぜひまた機会があればもっともっと成長した姿で同じベトナムの地でベトナムの人達に歯科医療を届けたいと思います。
度々ですが今回僕にこのような機会を与えていただいた方々に深く深く感謝しています。ありがとうございました。
『歯科ボランティアに参加して』 
歯科医師 山本良太
今まで、ボランティアに特に興味があったわけではなかったのですが、ホームページをなにげなく見てから、是非、参加してみたいと思い、それから1ヵ月ぐらいでベトナムに行ってしまっていました。なので、手続きも個人でやったし、みなさんとハノイで合流するまでは、ひとりで行動しなければならないという、ちょっとしたスリルも経験できました。
ベトナムでの診療は、とても貴重な経験をさせていただきました。スタッフ皆さんが、自分のやるべきことを、率先して行っていたと思います。それに対して自分はやるべきことをできていたのかなと考えてしまいます。
 ベトナムの子供たちは、とても純粋でした。日本の子供たちと全く変わらないです。今回で、ボランティアの流れは経験できたのですから、この経験をいかして、是非、次回も参加して、皆様の役にたてたらなと思います。また、最終日にハノイ市内の観光で、ベトナムの歴史などを知ることができたのもよかったです。日本に戻ってからですが、こちらの方も勉強してみたいと思っています。
 最後に、このような機会を与えていただいてありがとうございました。




特定非営利活動法人 日本歯科ボランティア機構