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第49回派遣報告
団長:         中條 新次郎
団員: 歯科医師 有松 俊明 その他 鈴木 章弘
米田 篤子 秋山 修一
小田 隆 岡田 俊輔
河野 隆幸 佐藤 香苗
佐藤 公麿 米田 光宏
歯科衛生士 有松 ひとみ 有松 遼
長谷川 弥生
佐藤 仁絵
歯科助手 森下 奈緒子

 
活動年月日 2008年9月14日 2008年9月15日
活動場所(施設名等)
午前の部 午後の部 午前の部 午後の部
時刻 開始 10時30分 13時30分 9時00分
    終了 12時00分 16時00分 12時00分
派遣団員内訳
歯科医師 6人 6人 6人
歯科衛生士 3人 3人 3人
その他 7人 7人 7人
子供達との交流
検診人数 70人 80人 79人
処置した人数 50人 55人 52人
処置内容
抜歯 13歯 15歯 12歯
サホライド 80歯 120歯 173歯
充填  (レジン) 4歯 5歯 1歯
充填  (グラスアイオノマー) 13歯 17歯 11歯
その他 (単治など) 7歯 7歯
ブラッシング指導 5人 2人
歯石除去 2人





中條 新次郎
9月14,15日に亘るボランティアは大きな事故も無く、終了できました。有松先生、河野先生以下メンバーの協力でできたことで、感謝です。

14日はホーチミン市内からバスやフェリーを乗り継ぎ2時間以上もかかる田舎の小学校でした。また二日目は市内の障害者施設であって、ダウン症や身体障害の子供たちに対して献身的な施設のスタッフに驚きました。

治療の内訳は別紙にまとめています。

強く思うのは、すでに10回以上ベトナムを訪問していても、その度にわかってくることや、発見があるということです。

今回はベトナム到着ご一日の猶予があったので、次回訪問を計画しているFFSC(ホーチミン市ストリートチルドレン友の会;子供たちに職業訓練をするとともに生活の援助をしている)の事務局を訪ねることができました。目的は2つ。FFSCで職業訓練を受けている子供たちの作品を購入すること。これらは日本にもち帰り、医院の中で販売または学園祭等で販売するため。そして、ベトナムでのボランティアを進めていく上で、今後に参考になる確実なデータを取ることを了解してもらうためです。シスター協力が得られることがわかりました。

これまで過去7年間、自分たちは多くの子供たちの歯を抜き、レジンを詰めてきました。そのことはそれなりに充実感がありました。しかし、今回訪問したダウン症や他の障害を持つ子供たちへのアプローチとしては、単に抜歯や歯を削ることへの執着はなんと空しいことであるか、思いを新たにしました。すでに言葉においてコミュニケーションが取りにくい上に理解力の乏しい子供たちにとって、そのような恐ろしげな行為は到底受け入れがたいことに間違いありません。口腔内の検診すら格闘状態でした。そんな中にあって九州の有松先生以下衛生士のひとみさんは少ない人数ではありましたが子供とその親にブラッシング指導を行っておられました。さらにベトナム語のブラッシング用の紙芝居を作って持ってきているとのこと、まさにベトナムに必要なことだと痛感しました。さらに

FFSCにおいて、興味深い話を聞きました。ベトナムへ訪問した歯科のグループが虫歯予防の指導をしてくれたようです。「ベトナムの水道にはフッ素が入っているので、水道水を飲むのが良い、予防のためにキシリトールを継続的に食べるのが良い」等との指導でした。残念ながらそのように理想的には行かないのが現実のようです。ホーチミンの市内でもまだ水道は完全ではなく、直接水道水は飲めない。蒸留水を買うか、何度もろ過をするかまたは煮沸して飲んでいるようです。ましてやキシリトール等いつも買って食べられるかというと、そのような経済状態ではなく。結局、基本に忠実にブラッシングの重要性を子供たちの管理者つまり、親や教師に訴えることが間接的に子供たちの歯を守ることにつながると思いを新たにしました。

振り返って今回のボランティアを考えるに、総勢16人内ドクター6人という体制で歯を削ることや歯を抜くことを目的として準備を整えて望みました。準備は完璧で。ポータブルユニットも一台を日本からもちこんでいたので、現地の一台と合わせ、都合2台。さらに抜歯組に二人のドクターに担当していただき、十分な診療体制でした。しかし、市内から2時間以上かかるベトナムでも田舎の子供たちや、障害を持ち口腔内の検診すら間々ならない子供たちをみると、たとえC4であっても抜歯することが積極的な良い治療とは思えず、歯を削ることを彼らが強く望んでいることでは無いとすら感じました。子供たちに尋ねても、C4だからといって抜きたいわけでは無いようです。口腔内はかなり悲惨です。両側臼歯が残根状態の子供たちがたくさんいました。また前歯が折れたままの子もいました。しかるに、サホライドによる予防的な処置に頼らざるしかない状態でした。しかし、それは妥当な治療だと感じています。時には第一大臼歯を抜歯することがあります。来日している24歳のベトナム女性ですが、両側の下顎第一大臼歯は欠損または残根でなんとなく歯列が完成しています。最後にはこのような口腔内になるケースが多いと思われます。自分は何をするべきか、何ができるか、いつも考えさせられます。

自分は検診に徹していたので、抜歯や治療の様子を見ることは少なかったのですが、スタッフ全員が優しく子供たちに接してくれていたのではないでしょうか。子供たちの治療を終えて帰る際にも、校長先生から「みんな優しくしてくれて本当にありがとう」という言葉を頂きました。我々には何よりの言葉でした。

今回、学生諸子もがんばって協力してくれました。このボランティアで何かを感じてくれていると思います。この体験は将来にわたって思い出となり、今後もなんらか形で国際貢献をしてくれるのではないかと期待しています。このような機会は学生にとっても貴重で有意義な事です。このような機会を与えて頂き、また協力していただいた高柴教授に感謝いたします。

派遣報告
友岡歯科 有松俊明
迷走する台風13号の動きがはっきりせず一抹の心配をかかえての9月派遣だったが、無事終了した。今回は11人の岡山組に別府組の5人が合流させてもらった。最近は少人数の派遣が続いた別府組だったが、今回は総勢16名となり、大所帯での診療における充実感と大変さを体験できたのが収穫である。

1日目(14日)

バスにゆられること2時間、数キロの未舗装の狭い道の行き止まりは船の渡し場。船といっても いかだにエンジンを付けただけのしろもので、雨季のこの時期にスコールにあうと大変だろうけれど、この日は雨に降られず幸いした。川沿いの村の小学校は涼しく心配した虫の襲撃もなく快適な環境での診療スタートとなった。ただし水は雨水をためたタンクと川からひいた水道が利用できるだけであった。この日は沖本さん、内の家内と体調不良者が出たが、診療は岡山組のすばらしい連携に乗っかって非常にスムースにいった。

2日目(15日)

毎度のことであるが、市内の施設へ行くまでの交通渋滞はすさまじい。そんな状況でなんど道を間違えてもドライバーはイライラもせず、陽気にチャウさんと談笑していた。ようやくたどりついた路地の突き当たりにあるダウン症や脳性麻痺の子どものたちが生活する施設は、意外と広く静かな環境にあった。子どもの好奇心の旺盛さはどこも同じで、治療の怖さとは裏腹に我々の機械器具をものめずらしそうに触っていた。2度目の参加となる中学生の三男が小さな女の子になつかれ、楽しそうに相手をしていたのが親としてはうれしかった。生意気盛りの年頃であるが、ベトナムに来るといくぶん素直になれるらしい。

今回はすべて中條団長にお任せの気楽なベトナム訪問であった。

ベトナムでのボランティアを終えて
米田 篤子
今回、初めてJAVDOの活動に参加させていただきました。

海外でのボランティア活動など全く初めてで、自分でも何ができるのかわからず、

それでも、何かお役にたてれば、と参加を決めました。

でも、何故?なぜ参加を決めたのでしょうか。

自分自身の鍛錬の為?同行する高校生の息子にベトナムの現状を見せ、日本との違いを認識して欲しい為?

いずれにしても、ベトナムの子供達の為に、というよりも自分の為じゃないか、こんな動機で良いのだろうか、と自問自答を繰り返しながらの参加でした。

しかしベトナムへ行ってみて、何度もボランティアに行かれている方に、行く度に新しい発見があり、得られるものが大きいというお話を聞いたり、治療を通じて、頑張る子供達や、その笑顔に触れる事により、こちらも元気になり、与えられるものが大きい事が解かりました。

ボランティアのなのだから、自分の為にと考えるのは動機が不純だと思っていましたが、その経験を通じて自分自身も得られるものがあるのなら、お互いのプラスになり、それはそれで意義深い事なのではないかと思える様になりました。

実際に治療してみて、子供達の虫歯は多く、残根状態の歯が何本もあったりして、ここで1日治療したとしても、この口腔状態もどうすれば良いのか、悩むところでした。歯ブラシの使用など、虫歯の予防の大切さを知らせる事が必要だと感じました。

この活動を通じて最も印象に残ったのは、参加した皆さんの素晴らしさでした。子供達の為にと考え、全員が一つの目標に向かって協力する体制ができていました。今回私は初めての参加で有松先生や中條先生にも初めてお会いしたのですが、スムーズに活動に加えていただけました。こんな皆さんと出会える事ができて良かったと、ベトナムに来て改めて日本の仲間の良さを知った次第です。なぜ、ベトナムまで来て・・・と思ってしまいますが、外国に出てみて初めて日本の良さを知る事ができたのかもしれません。

最後になりましたが、中條先生には準備段階から色々とご面倒をおかけし、ベトナム滞在中も大変お世話になりました。無事活動を終えられたのも、先生のお蔭です。

本当にありがとうございました。

活動報告
有松 ひとみ
同伴の三男の学校予定に合わせ、13日に出発し、14日15日と派遣活動、その日の夜の便で帰国という強行日程を組んだものの、自分自身の体調不良も重なり、不完全燃焼の形で終わってしまったというのが正直な気持ちである。帰国便を待つ空港で「帰りたくないよう〜〜」と心で叫んでいた。
救いは、いつもJAVDOの活動を手伝ってくれるニエ君が、見送りをしてくれたこと。なんでも、私達の宿泊しているホテルがわからず何件か調べた上、やっと見つけ、仕事帰りに長い間ロビーで待っていてくれた様で感激、胸が熱くなった。〈涙…涙…〉
そして、子ども好きの息子が、活動を通じて、優しく生き生きとした表情を見せてくれたことも親として純粋に嬉しい。こんな素敵な瞬間を味わえるから、体力と気力が続く限りまたこの地を訪れたいと感じた。

フェリー(小船)で渡った一日目の田舎地区では、雨水を貯め生活用水にし、様々な自然を遊び道具にしてテレビやゲームのない一日を楽しんでいた。二日目の施設ではハンディキャップを互いに助け合い、自立していくための勉強を重ね、手先の訓練を兼ねて作ったビーズのアクセサリーをプレゼントしてもらう。私は、最後に抱きついてきた3歳の女の子を『ぎゅっ』と抱きしめ、またこの国からたくさんの心を頂いたことに感謝した。

=問題定義=
今回の派遣で感じたことは、通訳の学生に日本語を伝える際、私達は訳しやすいような言い方を意識しているかということである。主語の省略や動詞と目的語の倒置など、日本人同士なら意識せず『あ・うん』の呼吸で分かり合えることでも、正しい日本語法を基準の学んでいるベトナム人のとっては戸惑いが多いようだ。たとえば、「ここが痛いのかな?お母さん、歯を抜きたいですか?」という会話の場合、最初の一文は独白か、子供もしくはお母さんに投げかけているのか明確に意思表示し、「お子さんのどの歯が痛いのですか?」「お母さんはお子さんのこの歯を抜きたいですか?」と言えば訳し易いだろう。日本人にはまどろっこしく、苛々してしまいそうなことが彼ら彼女らには重要なキーポイントになる。これからの活動を充実させていくために、日本人側が認知し、伝えていくことが大切なのではないだろうか。

=反省点= 
活動にあたって、まず自分自身の気力体力を充実させることが大切だと感じた。次回に備え、日頃から健康維持と自己管理のためのウォーキング・サイクリング・スポーツ、そしてベトナム語の上達を目指し、何事にも好奇心をもって備えようと思う。
今回、私の体調不良で中条先生はじめとする周りの皆さんにご心配かけてしまい、反省しています。フォローしてくださった皆様の心遣いに感謝!!ありがとうございました。

JAVDO 感想文
長谷川 弥生
私は、今回2回目の参加でした。1回目の参加でホーチミンの空港に降り立ったときは

驚くことばかりでしたが、今回はベトナムの地が懐かしく感じられました。

今回も沢山の思い出ができました。なかでも2日目に訪れた、障害者施設ではいろいろなことを、考えさされました。日本でも接する機会のないダウン症や小児麻痺の子供達に

どう接してよいのか、どうコミュニケーションをとってよいのかとまどうばかりでした。

口腔内は、ひどいカリエスで1回の治療ではどうにもならない様な子供が多かったです。

この子供達は自分でブラッシングすることが困難です。保護者や施設の先生の、口腔衛生に関する意識や知識を高めていってあげることも大切なことではないでしょうか?

ある小児麻痺の女の子(8歳位)の母親がどの様にブラッシングしたらいいのか教えて欲しいと尋ねてこられました。今 どの様に磨いているのかと聞いてみると、ガーゼに塩を付けて磨いているとのことでした。ちょうどその子に合ったブラシを日本から持っていって

いたので、それを使いTBIをしました。日本語学校の生徒さんに通訳をしてもらいながらのTBIでうまく伝わったかどうかわかりませんが、ブラシの持ち方・当て方等実際にお子さんにして見せたので、なんとか理解してもらえたかなと思います。最初はブラッシングを嫌がっていたけど、慣れてくるとおとなしくブラッシングをさせてくれました。

最後に使用したブラシをあげると「ベトナムにはこんな小さな歯ブラシはない。」と喜んでくれました。臼歯部はほとんど残根状態でしたが、生え変わった前歯は大切にブラッシングしてくれると嬉しいです。

ベトナムで口腔衛生の意識を高めれるような活動ができればいいなと思いました。

ベトナムは貧富の差があり、私達が訪れるのは貧しい子供達のいるところばかりです。

社会的な問題は沢山あると思いますが、ストリートチルドレンと呼ばれる子供達がいなくなり子供達が安心して幸せに暮らしていける日が早くきてほしいです。

ベトナムの子供も日本の子供も、子供達の目は同じように輝いていました。どの子も人懐こくてかわいかったです。微力ですが、またJAVDOを通じて私にできることがあれば

頑張りたいです。

最後になりましたが、団長である中條先生お世話になりました。今回は派遣団員の人数が多く、気苦労も多かったと思います。本当にありがとうございました。

そして、今回の活動を通じて有松先生・奥様・スタッフの方々、米田先生、河野先生、佐藤先生、岡大歯学部の学生の皆さん、たくさんの方々と出会い一緒に頑張れた事は私の人生においてとてもいい思い出となりました。ありがとうございました。
         
JAVDOボランティア活動に参加して・・・
森下 奈緒子
今回、初めてJAVDOベトナムボランティア活動に参加させて頂きました。

約一ヶ月前から始めた準備の段階で、まず、自分が日頃当たり前に働いている病院の設備環境のありがたさに気付きました。

ベトナムに着いてからも同じように、自分が当たり前に生活していることが恵まれた環境で、資源や物なども、もっと大切に思い使わないといけないと改めて考えさせられました。

診療初日、日本で日頃診ている子供の口腔内との違いに驚きました。カリエスでできた大きな穴に蓄積された食物残渣、歯の表面にべったりついた歯垢は日頃、ブラッシングをしてないことが一目で分かる状態でした。今、診ている子がまた当分治療を受けられないのならもっとしてあげられることがあるのではないか、と思うこともありましたが、待っている子供たちの人数を確認しながら時間の許す限り治療をしている先生を見て、いまできる限界の治療をしていること、そして、日本との治療の違いを学びました。

診療二日目は、障害児施設での診療になりました。怖がって診療台にあがることもできない子や、器具を見て暴れる子もいましたが、皆で協力しながら、なんとか全員無事治療することができ、充実感と達成感でいっぱいでした。

施設の子供たちは、とても人懐こく皆、笑顔いっぱいで、おもちゃを持ってきて‘遊ぼ!’と誘ってきたり、抱っこするととても嬉しそうに笑ってくれたり、本当に純粋で人との壁がないなと感じました。

ベトナムの子供たちは、ブラッシングの習慣がないことや、治療をきちんと受けられないことで歯が痛くても我慢しなくてはいけないので、少しでも早く、ストリートチルドレンがいなくなり、子供たちの歯の健康と幸せを守れる国になって欲しいと思います。

そして、これから私も、もっと知識と技術を身に付け、子供たちの笑顔の為に日々、向上心を持って頑張っていきたいです。

最後になりましたが、今回このような機会を与えて下さった中條先生に感謝しています。

そして、五日間、一緒に活動をして下さった先生方、スタッフの皆様、現地スタッフの皆様、楽しく有意義な時間をありがとうございました!
                      
ベトナム歯科ボランティア 〜笑顔の向こうに〜
 歯学部4年次生  鈴木 章弘
 今回、日本国際ボランティア団体JAVDOの活動に参加させて頂き様々なことを感じ、学んだ。そのことについて大きく2つに分けて書いていこうと思う。

 1つ目は今回の活動についての私の考えである。

日本に帰ってまず調べた物は国別(日本は県別あり)DMF歯数である。データが少なかったのだが2002年岡山では2.0,2003年東京では1.8,1990年ベトナムでは1.8となっていた(12歳)。この値は比較的少ない。しかしベトナムでは1986年末のドイモイ政策の導入以後、ベトナム経済は急速に発展しつつある。利潤追求を否定した社会主義的計画経済システムから、利潤追求を肯定した市場経済への移行が進む中で、個々人がよりよい生活を求める世の中になった。嗜好品が出回ってきたのも最近のことである。それに伴い1990年では1.8だったDMF歯数も上昇していると考えられる。事実私たちが訪れた場所が例外である可能性もあるが、歯式チェックをしたところ12歳前後の児童では平均4本以上は齲蝕歯(C1は含めていない)または喪失歯があった。歯ブラシはあるがブラッシングの習慣がないらしく菓子を常に持ち歩いているのだからこの結果は不思議ではない。

このような現状のベトナム社会のために考えられる最善策はブラッシング習慣をつけることや、定期的にみなが歯科診断を受けられるようにすることなどが挙げられる。しかし少し考えれば分かるように、実現させるには国に働きかけ、経済状況、医療制度、保険制度などの見直しが要求される。これは治療が一度きりで一人にかける時間が限られているJAVDOの活動では限りなく不可能に近いが、このようなボランティア団体の根気強い努力はほんの少しでも、行った場所、触れ合った人や患者に影響を与え、また幸せをもたらせることができると信じている。         

2つ目に日常にあるたくさんの『幸せ』について書きたいと思う。

 私は3日目に3歳から19歳の障害を持つ子どもたちがいる施設に行った。そこで私は漠然とかわいそうだと感じた。偏見かもしれないが、そう感じたのはその子たちがあまりに辺鄙なところに住み、満足に生活できてないのではと思ったからだ。しかしそれは大きな間違えであった。

 うまく歩けない、手が使えない、耳が聞こえない、話せない、片眼が見えない、そんな彼らは笑顔だった。通訳の方に『ここでの生活はどう?』と質問してもらったところ、『楽しい、今日は日本人の人に会えてうれしい』という答えが返ってきた。言葉は通じないが、幸せだとわかった。その施設のシスターも『(話せなかった子が話せるようになる)(椅子に座れなかった子が座れるようになる)(コミュニケーションがうまく取れなかった子がうまくなる)そういった進歩が見られるのがうれしく、それが生きがい。』と答えていた。施設に到着するまでの道のりは車一台がやっとで通れるような道で周りでは子どもからお年寄りまで畳1畳くらいの御座の上で野菜、肉などを売って生活していてた。近くにはまともな治療を受けられる施設はないし、服もご飯も満足に買えないだろう。しかし子どもたちやシスターは私たちに幸せだということを教えてくれた。本当に感銘を受けた。一瞬でも偏見を感じた自分を恥じ、幸せの在り方を教えられた気がした。自分が今この子どもたちやシスター、通訳の方、そしてメンバーみなと出会えたことが本当に幸せだと感じた。この感動は行った人でないと分からない。

 私は今回こんな体験ができて、身の回り、自分の生活にもまたたくさんの幸せを見出すことができた。また傲慢かもしれないが私たちは誰かに幸せを運ぶことができると感じた。

 私はこの経験を活かし、人間性豊かな歯科医師を目指して日々の生活を有意義に過ごしたいと思っている。

 最後にこんなに素晴らしい機会を与えてくれた先生方、ベトナムで触れあえた方々に感謝の意を表したいと思う。
東南アジアにおける国際歯科医療貢献実地体験学習報告書
歯学部4年次生  岡田俊輔
 2008年9月12日から9月16日の間、岡山大学の教育研究プログラムとして、JAVDO(日本歯科ボランティア機構)のベトナムでの歯科医療ボランティアに参加した。JAVDOは岡山大学歯学部2期生の中條先生が中心となって行われており、我々の先輩のご活躍を見ることの出来る非常に良い機会となった。

 まず13日にFFSC(ホーチミン市ストリートチルドレン友の会)という民間のカトリック系のNGOの事務所で話を聴いた。FFSCの施設はホーチミン市郊外に9ヶ所あり、そこではストリートチルドレンに生活の場を提供したり、教育や職業訓練などを行う施設を作り援助をしている。事務所では施設の子供達が作った小物や雑貨などが売られていた。

 14日は公立の学校に通うことの出来ない小中学生のための施設に行った。ここには親が米やサトウキビなどの農業に従事しており家が貧しい子供達が通っていた。小学校・中学校それぞれ約200人ずつがおり、この日は170人ほどを診た。

 15日は3〜19歳の知的障害や発育不全の子供のための施設を訪れた。ここでは約90人の子供たちが生活しており、その内15人が住み込みで、75人が通いである。障害を持った子供達がいるため勉強、アクセサリー作りなどの職業訓練のほかに、リハビリも行っていた。

 設備が整っているわけではないので、その場にある机や椅子を組み合わせて診療台を作ったり、持って来た限られた機材と材料で診療するなど、工夫して治療をしていく。また、一回限りの診療であり、時間も限られていたため、検診をして瞬時に「何処をどう治療していくか」を考えなければならない。何ヶ所も治療すべき所があっても、1ヶ所を選んで治療をする。

 このような先生方の姿を見て、臨機応変に対応していくことの重要性と大変さを実感した。

 私が今回ボランティアに参加した一つの理由として、「何故ボランティアをするのだろう」という根本的な理由を知りたかったことが挙げられる。時間と人手とお金に限りがあり、一回の活動で200〜300人の子供を一回きりしか診ることが出来ない、ということに限界を感じていた。  

しかし、今回の活動を通じて思ったことは、直接診ることが出来るのは200〜300人としても、それに参加した人々が触発され、自分でこうした活動をしていき、またみんなに広めていくことで活動の輪が広がっていくということである。

また、歯科医療ボランティアを行うことで少しずつかもしれないが現地の人々の口腔内に対する意識を変えていくことができ、それがやがて全体の口腔内の健康の向上に繋がっていくのではないだろうかと思った。

ボランティア活動はそれだけを見ると小さいものかもしれないが、間接的に、また長期的に見ると非常に大きなものであると感じ、自分の中のボランティアに対する疑問に答えが見出せた。

将来何かしらの形でこのような活動の輪を広げていきたいと思う。
 
ベトナムに行って
米田 光宏
 僕はベトナムに着いて、まず初めに驚いたのは、バイクが多いことと、店の看板や店の所々が汚くなっていることです。そういうところを見ると、やはり日本とは全く違うのだということをあらためて実感しました。

 2日目にF.F.S.Cに話を聞きに行ったとき、歯の治療に日本円で約10000円ときいて驚きました。ベトナムの人の1ヵ月の給料の半分くらいと言っていたのでさらに驚きました。歯を磨くことへの関心も低く、歯医者も遠いようなので、ベトナム人にとって歯とはそんなものであるのかとも実感しました。

 3、4日目は子供たちの検診と治療をしたのですが、僕は子供の誘導をしました。誘導といっても治療するところまで案内するだけでした。ベトナム語を全然覚えていなかったので声をかけることができず、自分はあまりなにもできなかったと思いました。ベトナムの子供たちは抜歯のほうや、治療のほうからそんなに泣き声が聞こえてこなかったので、我慢している子が多いと思いました。そういうところはすごいと感じました。

 今、日本に帰ってきて1週間がたっていますが、すごく感じたことは、こっちで過ごしていた1日がいかに薄いものであったかということです。こっちの1週間よりベトナムでの1日のほうが、濃かったような気がします。それで思っていることは、このままでは駄目なので、どうにかして1日を濃くしていきたいということです。どうすればいいのかまだあまり分からないのですが、少しずつでも実現していきたいと思います。

 最後に、ベトナムに行けて本当によかったと思います。迷惑をかけましたが、本当にありがとうございました。
            
 
感想文
別府北部中学校3年 有松遼

僕は九月に人生で二度目のベトナムに行きました。今回は二度目ということで、あまりドキドキはしませんでしたが、空港に着いてみると暑さや空気でベトナムに来たんだなあという感じがしました。

ベトナムで一番楽しみにしていたのは食べ物です。昨年もボランティア活動で来た時に、とても美味しかったのを覚えていて、実際再びベトナムにやってきて食べてみるとフォーやバインセオはもちろん、何でもものすごく美味しかったです。

そして今回の目的のボランティア活動では、初日田舎の学校に行き、自分よりかなり年下から同年代までの診察の補助をしました。僕は昨年と同じ子ども達の誘導係だったので、その時にたくさん友達が出来ました。ベトナムの子供たちが何度もちょっかいをかけてくるので、「お前か!」と言うとその言葉を覚えて、言い合っていました。最初に覚えた日本語がこれでいいのかなあと思いました。

二日目は障害を持った人たちのいる施設に行きました。ここでもたくさんの友達が出来て、特に僕とボールで一緒に遊んだ小さい女の子がとても可愛く印象に残りました。皆で助け合って作ったビーズの腕輪をお礼にもらいました。

今回の活動で学んだことは、言葉が通じなくても、たくさんの友達が出来るということです。美味しい食べ物といい人がたくさんのベトナムにまた行きたいと思いました。
 




特定非営利活動法人 日本歯科ボランティア機構