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第48回派遣報告
団長:         鎌田 靖
団員: 歯科医師 川村 信五
林 泰広
永山 晃之
森下 達夫
歯科衛生士 東 清美
歯科助手 酒井 麻衣
その他 佐々木 貴大

 
活動年月日 2008年7月19日 2008年7月20日
活動場所(施設名等) TRAMY TE PHUONG 28 NHA DUONG LAO TINH THUONG
午前の部 午後の部 午前の部 午後の部
時刻 開始 13時30分 8時00分 13時30分
    終了 17時00分 12時00分 16時30分
派遣団員内訳
歯科医師 5人 5人 5人
歯科衛生士 1人 1人 1人
その他 2人 2人 2人
子供達との交流 93人 109人 68人
検診人数 93人 109人 68人
処置した人数 93人 109人 68人
処置内容
抜歯 48歯 155歯 80歯
サホライド 107歯 126歯 89歯
充填 26歯 8歯 13歯
その他 (単治、感根処、抜髄など) 2歯
フッ素塗布 11人 11人 5人
歯石除去 4人 6人



『2008年7月派遣を終えて』
第48回派遣団団長  鎌田 靖 

 今回は、Dr5人、DH・DA2人、その他1人の総勢8名。初参加者が多く帯広・大阪・徳之島(鹿児島)・函館の混成チームなので、団長としては一抹の不安を抱きつつ日本を出発しました。/

 私は昨年11月の派遣がハノイだったので、ホーチミン市は一年ぶり。新しく綺麗なタンソンニャット空港に感動!いつになく入国もスムーズで、「幸先が良いわい!」と思いながら空港を出ました。が・・、やはりベトナムは甘くなかった!出迎えのガイドが居ない!!

夜中なので電話がつながらない。探しても、全く来ている気配もない。あきらめてタクシーでホテルへ行こうと思いつつ、最後にもう一度電話をしてみたらやっとつながり、現地会社のミスと判明。結局空港出口で一時間以上の待ちぼうけ。それからホテル到着後に、持ち寄った器具・器材を出し明日の準備。みんなグッタリそしてムッツリ。スタートからのつまずきに団長として責任を感じつつ、明日からの診療を暗示しているかのようなイヤな予感が・・・。(でも、最終日に予定していた市内観光の値段が、お詫びとして25ドルが10ドルになった。ラッキー!)

 翌日からの診療は、1日目はHCM市郊外の保健所(?)にて、周辺の子供たち。2日目は、孤児の学校にて、そこの生徒と周辺の子供たちの診療を行った。いずれも貧困層地域でした。以下に、今回の診療概要、気づいた点、反省点などを記します。

*「来てくれたこども全員に、とりあえず何かはしてあげよう」という北海道チームのモットーにのっとり、全員に何らかの処置等を施した。

*ポータブル機械が新しくなっていたので、(以前は1台使えるかどうかの時が多かった。)

 最大限に活用し、特に永久歯はなるべく保存処置をするように努めた。

*オーラルテスターを用いて、唾液分泌量、唾液緩衝能、St.mutans量、を調べた(28名)。

 この結果については、8月末の「北海道歯科学術大会」で、『JAVDOベトナムボランティア活動』として帯広の川村先生が発表する予定です。

*問診により、HIV感染者が2人いるのがわかった。これ以外にも、本人・家族が自覚していないHIV,HBV,HCV感染者は居ると思う。(保健所の内科医によると、実数は把握できていないが、かなりの割合で感染者はいるらしい。)感染対策は行っているが、改めて、スタンダードプリコーションにのっとった診療体制の必要性・重要性を、再認識した。学校や施設では、ある程度子供の状態は管理・把握されているようなので、貧困層地域で不特定多数の子供の診療を行う場合は、特に注意をされた方が良いと思います。

(今回のHIV感染者も、学校の子供ではなく周辺地域からやって来た子供でした。)

*DHとDAが2人だけだったので、消毒作業で手いっぱいだった。次回はなんとか人数を確保して、予防処置や啓蒙活動にもっと力を入れていきたい。

*1名が、昼食時に氷水を飲んでアタッテしまい、ダウンして寝込んでしまった。特に初参加の方へは、もっと水・食事の注意喚起を促すべきであった。

*今回、JAVDOのボランティア活動の主旨にご賛同頂き、(株)トクヤマデンタル様よりオーラルテスターを、札幌 (医)渓仁会 手稲渓仁会病院 歯科口腔外科様より歯科材料を、アステラス製薬(株)様より配布用シールなどをご協賛いただきました。この場をお借りして、厚く御礼を申し上げます。 

『すでにある道』
帯広市  ヒロハヤシ歯科  林 泰広
                 
「この道を行けばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし

 踏み出せばその一歩が道となり その一足が道となる

 迷わず行けよ 行けばわかるさ」   一休宗純

アントニオ猪木がリングで叫ぶ詩ですが、自分が今回JAVDOの活動に参加させていただいた動機の一つです。

ボランティア活動、そのことに興味はあるが、、、、と言う人は大勢いると思います。

でも何をして良いかがわからない、自分もそんな人達の一人でした。そんな中、ベトナム行きを誘っていただき、参加いたしました。行って良かった。それが素直な気持ちです。

自分が踏み出さなければならない訳ではなく、すでにある道を進むだけでした。

先人の努力と団長のおかげで、活動自体は何の問題も無く参加できたことを、まず感謝したいです。(先人の先生方達の御苦労に感謝!)詳細な感想は、他の人が書いた内容が素晴しいのでそちらをご覧いただけたらと思います。

それから、この活動の中で、ものすごく大きいのは、素晴しい仲間と出会えることです。多くのことに感謝。今後共よろしくお願いします。

『JAVDOホーチミン派遣に参加して』
鹿児島県徳之島 椛山歯科医院  森下達夫
 今回JAVDOに参加して、まず一番に反省することがあります。医療ボランティアにも関わらず、2日目午後に食あたり?をおこしてしまい、戦力外になってしまったことです。おそらく原因はお昼に出た氷を無防備に飲んだからだと思います。チームの方々に大変ご迷惑をおかけしました。

それはさておき・・・・、今回派遣で感じたのは、抜歯を中心とした対症的な処置しか選択肢はないのですが、歯科医師としてできることがあるということです。また普段の診療で知識や技術に意識が偏りがちですが、時間も道具もない中で「できるだけ治してあげたい」という、当たり前だけどつい忘れがちな気持ちを強く再確認できたことです。そしてなにより今回のチームメンバーの素晴らしさです。団長の細かな準備と気配りのおかげでとても充実した時間を過ごすことができました。

帰国してから2日しかたっていないのに、もうベトナムの喧噪が懐かしく、また戻りたい気持ちになります。ぜひ近いうちにまた活動に参加したいと思います。本当に今回のチームの皆さん、ありがとうございました。

『JAVDOに参加して』
帯広市 川村歯科医院 歯科助手  酒井 麻衣
 今回、初めてJAVDOのボランティア活動に参加させていただき、貴重な体験が出来きました。このような機会を与えてくださった、川村院長に感謝しています。

 川村先生からボランティアの話しは聞いていましたが、まさか自分も一緒になんて考えていなかったので、先生から「一緒に行かないかい」と誘われた時は、驚きと同時に大変うれしく思いました。興味はあるが、話しだけではどのような活動を行っているか解らないし、自分の目で見て、自分の体で体験するのが一番良い!国際貢献、国際交流など、個人ではそう簡単に体験できる事ではないと思い、参加を決断しました。

 現地では、普段歯科治療を受ける事ができない子供たちの診療を行いましたが、日本の子供と比べるとはるかに悪く、すでに手遅れ状態になっている口腔内が多く、とても残念に思いました。限られた時間・器具・材料・スタッフで、限られた治療しかできない・・・。それでも、治療を終えた子供たちの笑顔は満足そうで、うれしく思いました。そして、歯を磨く習慣、歯の大切さの知識、整った設備・環境での歯科治療、等々・・、いかに自分が恵まれた環境で暮らしているのかを痛感しました。このJAVDOの活動により、ベトナムの子供たちが少しでも歯に対して興味を持ち、歯磨きの習慣が広がっていけばいいなあーと思いました。

 滞在中は診療の他に、みんなで食事・市内観光・買い物などなど。一日一日がとても早く、あっという間のとても充実した日々でした。今回、このチャンスを与えてくださった川村先生をはじめ、団長の鎌田先生、大阪の永山先生、徳之島の森下先生、帯広の林先生、函館の東さん、アステラス製薬の佐々木さん、現地の沖本さん、HASHOのスタッフ、通訳ボランティアの方々、本当にお世話になり有難うございました。とても楽しく、素晴らしい体験ができました。また機会があれば、ぜひ参加させていただきたいと思います。

『 ガネーシャのお導き?? 』
佐々木 貴大
 私は製薬メーカーにてMR(医薬情報担当者)という仕事をしております。今回その門外漢な私がJAVDOの活動に参加させていただけたのは、「御縁」の一言に尽きます。たまたま、以前に参加したことのある方からベトナム派遣の話しを聞き、興味を抱き、参加させていただくよう団長の鎌田先生にお願いしました。戦力になるか解らない人間の申し出にも関わらず快諾いただけました。おかげで貴重な経験を積むことができました。

 実際のところ、ボランティア活動というものには興味があったものの、参加するのは今回が初めてでした。さらに歯科治療との関わりは、患者の立場でしか無かったので、どのように自分が貢献できるのか想像も出来ませんでした。しかし、楽天家なもので、「何も貢献出来ないことはない。行けば、何か出来るだろう。」ぐらいの心構えでした。

今回参加を希望したのは、以前に読んだ『夢をかなえるゾウ』(水野敬也、飛鳥新社)の影響が大きいです。本の中にガネーシャという関西弁をしゃべる変なゾウの神様が出てきて、色々と主人公に教えを授けます。その神様の教えが卑近で、とても解りやすいものなのです。その中の一つに、「自分のやりたい事を机に向かって考えるのは一番やったらいかんこと。そんな方法で自分のやりたい事、やるべき事が見つかるわけが無い。自分のやりたい事を見つけるには、興味を持ったことを片っ端から実践して経験してみる。経験しないことには自分のやりたい事、どう生きるべきかなんていうことは見つからない。」というような教えでした。この教えが心の隅にひっかっかっており、“興味を持ったらやってみる”という事が自分の中のルールとして出来上がっていました。

また、以前読んだ雑誌に心に残る言葉があり、「“旅(たび)”とは“他日”に通じる。他人の日常に触れることが旅の真髄である。」まさに、今回のJAVDOの活動を通じて、“他日”をすることが出来るだろうという思いも参加の動機にありました。

こんな、専門知識も、ボランタリズムという崇高な精神も持ち合わせていない私でしたが、この3日間の経験を通じてJAVDOの精神を多少なりとも感じ取ることが出来たかと思います。とても濃厚な日々で本当にあっという間でしたが、有意義で楽しかったです。

私が強く感じたのは、“人の縁”でした。訪れてきた子供の歯を「しっかり治療して気持ちよく生活できるようにしてあげたい」という先生方の気持ちが私に伝わってきました。これは治療を受けた子供達にも伝わっているだろうし、ひいてはその家族、学校の先生方にも伝わっていると思いました。

時間的な制約があり、全てのベトナム人の歯を治療することは到底出来ないでしょうが、この思いというのは治療を受けた人だけではなく、治療を受けた人と接する人々にまで波及するものだと思います。私がこの活動に参加できたのも“縁”であったし、治療を受けることが出来た子供達も“縁”があったからで、その“縁”という連鎖を大きく広げることができたらとても素敵なことだろうと感じました。

私のような歯科とは違う業界の人でも、興味を持った多くの方がこの活動に参加し、“縁”という人との繋がりが大きくなることを強く望みます。




特定非営利活動法人 日本歯科ボランティア機構