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第35回派遣報告
団長:         石本 耕二
団員: 歯科医師 勝部 寛
田口 則宏
大久保 香
大下 涼子
川越 亮利
鈴木 淑子
峯岡 茜
歯科技工士 田中 澄良
歯科衛生士 山本 春江
その他 濱村 佳子

 
活動年月日 2006年10月6日 2006年10月7日 2006年10月8日
活動場所
(施設名等)
First June School for
Street Children
Bin Tho Center Nha may man Center
午前の部 午後の部 午前の部 午後の部 午前の部 午後の部
時刻 開始 14時00分 8時30分 13時30分 9時00分
    終了 17時00分 11時30分 16時00分 12時00分
派遣団員内訳
歯科医師 6人 8人 6人 7人
歯科衛生士 1人 1人 1人 1人
その他 2人 2人 2人 2人
子供達との交流 30人 20人 40人
検診人数 43人 107人 62人 88人
処置した人数 37人 39人 33人 36人
処置内容
抜歯 32歯 20歯 39歯
充填 (レジン) 8歯 1歯 10歯
(グラス
 アイオイマー)
3歯
サホライド 155歯 30歯 24歯
その他(単治等) 1歯 2歯 4歯
歯石除去 1人 1人



第35回派遣団報告
藤岡歯科医院  石本耕二
 今回も、藤岡歯科医院から濱村さん、山本さん、私で雨模様のタンソンニャット空港に30分ほど遅れて降り立ちました。ホテルに着くと、2年前の派遣でご一緒した、東京から参加の勝部先生とベトナムの地で再会できたことに感謝しました。勝部先生のご友人の田中先生と、他のホテルに宿泊している広島大学から参加の講師の田口先生と、研修歯科医の峯岡先生、大下先生、川越先生、大久保先生、鈴木先生で、総勢11名の派遣団となりました。その日は全員で集い、夕食をとり、簡単なミーティングをして、翌朝6時30分の出発にそなえました。
 広島大学のグループが1日早く到着し、診療して、移動の車に機材をほぼ積み込んでいたので、非常にスムーズに出発できたと思います。

 1日目・2日目とも、いつものように抜歯中心の診療となり、皆汗だくになりました。研修歯科医の先生方は、数をこなすごとにたった2日間でずいぶん手際がよくなったように思いました。

 今回、新鮮に感じたことは、以下のようなことです。

   1. 義歯を装着している人を診たこと

   2. 2日目の診療は、半数近くが大人だったこと

   3. 大人はう蝕が少なく、歯周病で口臭を気にし     

     て来られた人が目立ったこと

   4. 広島大学のグループが身長計・体重計を

     持参し、数十人測定した時、子どもたちが

     興味深げだったこと

 1台のポーターケアは問題なく使用でき、CR充填も

数人しました。掃除機(200V)1台、コンプレッサー2台、変圧器2台は使用できます。もう1台のポーターケアは、ヒューズを変換するも、電源を入れるとすぐにヒューズが切れて、素人には修理不能と思われます。HASHOのロッカー内の備品をチェックして、使用期限切れのもの、使えそうにないものを処分し、整理して帰途に着きました。

 今回の派遣の団長として、至らぬ点が数々あったことをお詫びします。団員の皆様、ご苦労様、そしてありがとうございました。またベトナムの地で会えることを期待します。

 最後になりましたが、HASHOの皆様、通訳ボランティアの皆様、現地サポートの沖本さんに深く感謝致します。

広島大学病院 口腔総合診療科  田口則宏
 平成18年10月5日より5日間、ベトナム、ホーチミンでの歯科ボランティア活動に参加させていただきました。私は、広島大学病院歯科医師卒後臨床研修の管理をしている立場上、今回参加させていただいた本院研修歯科医5名の「引率役」、および純粋な「ボランティア活動」の二つのミッションを持っておりました。至らぬ点は多々あろうかと思いますが、JAVDOメンバーおよび現地のスタッフの方々による多大なるご支援のお陰で、なんとか役目を終えることが出来たとホッとしております。本当に有難うございました。
 
 私の業務とする歯科医学教育の観点からは、これまでの教育がHospital-basedに偏りすぎた傾向にあり、今後はCommunity-basedの視点が世界的にも次第に取り込まれつつあります。今回のような海外における臨床体験は、まさにこの潮流を肌で体験したということであり、若い研修歯科医の今後のキャリアプロセスを構築する上で、必ずやプラスの影響が出るに違いありません。そういう意味では、今回の体験はとても貴重であり、我々の業務(カリキュラム立案など)にも非常に意味のある活動であったと考えています。

 また、言葉の通じない(英語圏でもない)国での臨床活動を行う上で、これほどコミュニケーションの重要性を感じたこともありませんでした。非言語での意思疎通(身振り手振り)でもかなり理解しあえる、ということがわかった反面、やはり共通言語をもつことのありがたみを実感しました。これは、今後臨床活動を行う上で、コミュニケーションの重要性を理解するまたとないチャンスであり、一方で共通言語としての「英語」等をもっと勉強しなくては、と考えさせられもしました。

 以上のように、すべてのことが我々の血となり肉となったわけですが、何よりも現地の子供たちの明るく無邪気な笑顔に勇気づけられ、また元気を分け与えてもらった気がしています。今回の貴重な体験を無駄にすることなく、次につなげられるような活動を行っていこうと思います。

 今回は本当に有難うございました。そしてお疲れ様でした。

川越 亮利
今回、JAVDOに参加させてもらって一番感じたことは今までの診療で得られる充実感とは違った充実感があり、日本では考えられない環境で抜歯することができてとても良い経験になりました。 初めてうける歯科治療にもかかわらず、ほとんど泣く事も無く治療をうけてる子供の強さにも感心しました。そして治療後の子供の笑顔も印象に残りました。 また次の機会があれば参加したいです。

ベトナムボランティアに参加して
大久保 香
 今回ベトナムでのボランティアに参加し、多くの経験をさせてもらいました。歯科医師として駆け出しの自分にとって、今回のボランティアは初めて自分の仕事に満足感の得られる充実したものとなりました。初日は、何をしたらいいのか、どう準備をしたらいいのかなかなかペースをつかめませんでしたが、2日目、3日目になると容量も分かってきて、患者が途切れると「暇だな」と思う余裕がでてきました。やはり、上の先生がいるので、最後には助けてもらえるという安心感もあり、のびのびと診療を行えました。日本とは全く違う環境で育った子供たちには、とても強く我慢強い印象を持ちました。 口腔内の状態は、想像したよりも良く、カリエスフリーの子供もいました。その一方で、虫歯になっているものには進行したものが多く、残根状態になっているものが多かったです。
途中、通訳の方が足りなくなり通訳なしで抜歯なども行いましたが、やはり通訳の方がいてもいなくても、最低限の意思疎通のため、「痛い?」「頑張ったね」などの言葉は勉強しておく必要があったと感じました。今回このボランティアに参加させて頂き、今まで以上に自分の職業に興味をもち、自信をつける事ができました。同時に、ベトナムの現状やここでの治療の限界について考えさせられました。歯科医師という職業に疑問を感じていた自分にとって、今回のボランティアはとても得るものが多かったです。また機会があれば是非参加したいと思います。
JAVDOベトナム歯科治療ボランティアに参加して
峯岡 茜
 JAVDOの活動については昨年の夏に知り、その時からぜひ参加してみたいと思っていたので今回その機会に恵まれて大変嬉しかったです。しかし歯科治療器具や材料を準備していると、未熟な自分がちゃんと治療できるだろうかという不安に駆られました。そして期待と不安の入り混じった気持ちでベトナムの地に降り立ちました。

 実際ベトナムは日本とは全く違う国でした。初めてアジアに行ったからもあるかもしれませんが、生活レベルや歯科医療など色々な面でカルチャーショックを受けました。と同時に今自分が置かれている環境、日本という国について考えさせられました。

 歯科医療に関しては、乳歯カリエスの多さに驚きました。しかし器具や機械、材料は十分にないし、時間に制限があるためできることは限られていました。従って今できる精一杯の治療は何だろうと悩みながら抜歯やサホライド処置をしていました。しかし日本だったらもっと保存的な治療ができるのに、これから先この子達の口腔内はどうなるんだろうと考えると心が痛みました。また直接言葉でコミュニケーションが取れないため、こどもたちの泣きそうな顔を見ても何も言えず、自分自身にも余裕がなかったためただ処置を早くこなすことしかできませんでした。今考えると時間がなかったにしてももう少し余裕を持って治療に臨めたらよかったなと思います。

 まだ学んだこと、反省点はたくさんあるのですが、帰国して強く思うのは、「またベトナムに行きたい」ということです。今回治療したこどもたちの今後も気になるし、今回診ていない人たちの口腔内も気になる。私にできることは限られているけれど少しでも役に立てるかもしれない。今回の反省を教訓にベトナムや違う国でもいいから歯科治療ボランティアをしたい。本当に今回JAVDOの活動に参加させて頂いた事は私にとって非常に大きな意味を持っていたような気がします。ベトナムで学んだことを忘れず、これからの歯科医師としての道、人としての道にしっかり生かしていきたいと思います。

 最後になりましたが、同行させて頂き温かくご指導くださったチームのみなさん、現地でお世話をしてくださったスタッフのみなさん、大変有難うございました。そして治療に来てくれたたこどもたち、ありがとう。
27年目にしての初ボランティア
広島大学口腔総合診療科  大下涼子 
中学生の時、テレビで海外の医療ボランティアの活動を見たとき、医療関係の仕事に付きたいと思いました。

その時の気持ちは、今まで変わる事は無かったものの、行動に移す事も無く、遠い存在でした。また、自分の歯科診療の実力では、例え参加しても何も出来ないのではないか?という気持ちもありました。

しかし、この度、JAVDOの活動に参加させていただけることになり、はじめて、ボランティアの世界に飛び込むことができました。この様な、機会に出会えたことと、声を掛けて下さった先生方に本当に感謝しています。

初めて飛び込んだ、ベトナムでの活動。診療直前まで、不安しかありませんでした。

1.どんな患者さんが来るのだろう?

2.言葉は?

3.どんな症状で、どんな口腔内なのか?

4.診療道具は何がいるのか?

5.自分の実力で診療出来るのか?  など…

今思い出しても、不安に感じていたことばかり…。

そして、歯科診療がはじまり、どんどん患者はやってきます。悩む暇なんてありません。自分の出せる精一杯の力を出し切りました。実力以上の力を吸収しながら出せていたかもしれません。1人の歯科医師として任務を果たせていたのわかりませんが、診療後は達成感、爽快感で、普段の診療では味わえない感覚でした。

今回の診療では、補綴、根治は私が見た限りでは、出番はありませんでした。もちろん、本当ならば、根治をすれば抜歯しなくて済む歯はあります。しかし、今の状況では、選択肢に無い状況です。

また、クラウン、ブリッジ、デンチャーが、選択肢にあれば…。

しかし、この度一緒に参加されていた、田中先生が技工士学校を訪問され、教科書などを持っていかれていたので、これから先、ベトナムの方々の興味も高まり、補綴処置が行われる時代も遠くはないのかも知れません。

正直、初のボランティアを経験した感想は、自分でボランティアをしたという感覚は無く、自分にとって、得ることの方が多く、勉強になることばかりでした。ボランティアに行って、自分がベトナムの方から色々教えられ、助けられたかのような感覚は、もしかしたら的外れなのかもしれませんが少なくとも、参加できたことはとても有意義でした。もし私が治療に携われた患者の誰かひとりが、治療を受けて良かったと思っていてくれているならば、少しはボランティアという活動に足を踏み込めた気がして、私自身、幸せです。

この活動でお世話になった、先生方、スタッフの方、一緒に参加した仲間、応援してくれたみんなに感謝いたします。
ベトナムでのボランティア活動を終えて
広島大学病院口腔総合診療科 研修医 鈴木淑子
私が今回のJAVDOのボランティア活動に参加することを決めた動機は、学生時代に共に学んだ友人の国であったということと、現地の実情を自分の目で見てみたいからということでした。結果、ベトナムの湿度の高さにやられ体調を崩したりもしましたが、現地の通訳の人たちはみな親切で、食事は何を食べても美味しく、ホーチミンやメコン川観光も楽しみましたが、何よりボランティア活動に参加させていただいたことは今後の歯科医師としてやっていくにあたって貴重な体験となりました。「ボランティアだから自分にできることをしてあげればいい」行く前はそう思っていましたが、いざ診療が始まると、その考えはつくづく浅はかで傲慢であったと思い知らされました。患者さんのために、患者さんが何を望んでいるかをよく考えて診療しなければならない、ということは研修医になってから何度も言われてきたことですが、いざベトナムの子供たちの前に立ってみると、自分ができることなど微々たるものでした。どの処置を行うにしても自分の未熟さを思い知らされましたが、何より「してあげればいい」という自分本位の考えは本当に違うのだということを感じ、歯科医師として患者さんに対してどういう心構えをもって接していけばいいのかを改めて考えるきっかけとなりました。最後になりましたが、このような貴重な体験をする機会を与えてくださったJAVDOの皆様に心から感謝いたします。どうもありがとうございました。



特定非営利活動法人 日本歯科ボランティア機構