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第25回派遣報告
団長:         橋本 昌美
団員: 歯科医師 勝部 寛
歯科衛生士 恵美 めぐみ
辻本 時子
飯田 好美
橋本 瑞穂
現地歯科医師 Dr,Thu

 
活動年月日 2005年6月20日 2005年6月21日
活動場所(施設名等)
午前の部 午後の部 午前の部 午後の部
時刻 開始 8時30分 12時20分
    終了 12時20分 16時10分
派遣団員内訳
歯科医師 2人 2人 2人 2人
歯科衛生士 4人 4人 4人 4人
検診人数 72人 91人 100人 60人
処置した人数 64人 86人 95人 67人
処置内容
抜歯 32歯 65歯 82歯 38歯
充填 9歯 18歯 10歯 22歯
その他(単治等) 1歯
ブラッシング指導 52人 70人



2回目のホーチミン訪問
京都市伏見区 こがはしもと歯科医院 橋本 昌美
 2005年6月18日土曜日、関西空港から日本航空JAL5137便は、定刻より約20分早く出発しました。日本航空といえどもベトナム航空の機材で運航されるコードシェア便、赤いアオザイ風の制服の乗務員がいっぱい。飛行機はよく乗りますが、今まですべて、日本の航空会社にしか乗ったことがありません。初めての外国の航空会社の飛行機に乗ります。ちょっぴり心配です。最近はJALもかなり危ないですが、ベトナム航空は、昨年一緒にボランティアに参加した相馬先生が、帰りはJAL5138便のベトナム航空とのコードシェア便で、整備不良で欠航となり急遽、日航運行便の東京経由で大変な思いをして札幌まで戻ったのを聞いています。このコードシェア便、日本人の乗務員もおられ、案内など言葉には不自由しませんでした。しばらくして機内食が出ましたが、かなり揺れます。大丈夫かな・・・。梅雨前線の影響らしい。酔いそうになったのですばやく寝に入りました。すっかり記憶を失い、気がつけばまもなく着陸へ。タンソンニャット空港に無事到着しました。2度目のベトナムです。今回は、私事ではありますが1月23日に結婚しまして、家内の瑞穂と一緒です。

 到着口には、私達を迎えに来てくれているAVAのプラカードの方とは別に、JAVDOのプラカードを持っている方がいらっしゃいました。今回、私達と一緒に参加される東京からの勝部先生のお迎えでしょう。あとから、大変お世話になるニェさんと知りました。空港ターミナルは新しく工事をしているようです。去年は夜に到着したのでよく覚えていません。迎えの車でホテルまで移動、前回は藤岡先生らと同じニューワールドに泊りましたが、今回はダクストンに泊まります。街に近く、結構良いホテルでした。チェックインした後、皆でHASHOの事務所へ。勝部先生らともお会い、明日からの準備をしました。やはり暑く、すでに汗だくです。準備を終え再びホテルへ。人や車が多くなったように思います。近くでは、ハイアットリージェンシーホテルが建築中で、冬頃にオープンらしいです。次回はここに泊まろう。

 診療一日目です。昨年お世話になった日本語学校のフォンさんにも、日本にいる時から連絡をしていて、今年もお手伝いしていただくことになりました。1年ぶりの再会です。また今回はホーチミンの歯学部の学生・ふたりも参加し、確実にJAVDOは進んできているなあと感じました。ホテルを朝6時に出発し、途中フェリーにも乗って約2時間、保健センターのような所に着きました。前回うちの歯科衛生士は、子供たちにブラッシング指導ができなかったことをとても残念に思っていたので、診療前にブラッシング指導ができればと事務局にお願いしていました。一室に集合してもらって、いざブラッシング指導開始。出発前に作製してきた媒体を使って、説明。子供たちにもしてもらおうと歯ブラシを配ったとたん、部屋から子供たちは出て行ってしまいました。残念!  皆で気を取り直し、歯科健診、フジ\充填、抜歯とこなしました。勝部先生とふたりで、約180人の子供たちの健診、診療を行い、さすがに疲れてしまいました。それでも今回は感謝状のようなものをいただき、感慨無量です。

 診療2日目、うちの衛生士が遅刻をして皆様をお待たせし、恥ずかしい限りです。申し訳ありません。2日目は、前日の失敗?を教訓とし、あらかじめ子供たちに歯ブラシを配り、ブラッシング指導。こちらは、もともと歯磨きの習慣が少しあるようで、ちょっと形になった感じ。あとはまた、勝部先生とふたりで奮闘です。約160人の子供たちを診ました。途中、恩師で仲人でもある北海道大学名誉教授の下河辺宏功先生から電話、帰国したらJAVDOのことを詳しく教えて欲しいとのこと。「22日の夜は、大津にいるから出て来いよ!」。22日は帰国した日の夜だ・・・。下河辺先生は現在、新潟の明倫短期大学の学長をされており、歯科衛生士学科が3年制なるのにともない、学生に歯科ボランティアをさせたいとのお考え。帰国したら、スケジュールを組まなくては・・・。

 この日も感謝状をいただきました。片付けを始めたら大雨が降ってきました。スコールでしょうか、大雨の中を渋滞に巻き込まれ、HASHOに戻ってきたのは、午後6時ごろ。機材を積んだもう一台は、午後7時を過ぎても帰って来ず、機材の後片付けは次の日へ。

 予定外の3日目、勝部先生にはお休みしてもらって、こが橋本グループでHASHOへ。昨夜もう一台は途中、水没しかけたらしく、午後9時を回ったそうだ。しかも機材の一部が水に浸かったらしく、掃除機の中は水だらけでした。次回、使えるのだろうか?

 2回目のボランティア参加、一応団長を仰せつかりましたが、勝部先生をはじめ、ニェさん、チャウさんらHASHOの方々、日本語学校の学生の皆様やJAVDO事務局の多くの方々のご協力で無事終了出来ることができました。本当にありがとうございました。また、来年6月にこが橋本グループで参加したいと思います。次回は、地元京都からの参加される先生を捜して、勝部先生ら歯科医師3〜4名で来たいです。

シニアボランティアのベトナム訪問
勝部 ェ
 昨年10月に引き続き今回二度目のベトナム訪問です。二度目という事でタンソンニエット空港まではゆとりある旅でした。空港のターミナルは建設中で完成まであと1年位かかりそうである。今回変わったのは入国審査の職員が増員されていて前回より短期間で通過でき、顔馴染みになったニェ君が笑顔で出迎えてくれた。彼はボランティアの仕事をやりたいとHASHOのお手伝いをしているそうである。市内は相変わらずバイクがあふれ、信号機も増え車もバイクも多くなった気がする。
今回日本からはドクターが京都の橋本先生と私、歯科衛生士が4人、これが第25回派遣団のメンバーである。

 今回も前回同様子供たちの抜歯専門に診療する約束で参加致しました。6月19日のチームは前述のメンバーとホーチミンの歯科大5年生二人、日本語学校の学生、そしてHASHOの職員です。ホテルを午前6時過ぎにマイクロバスで出発。途中フェリーでサイゴン川を渡り椰子の生い茂る道路を突っ走る。ここはメコンデルタ。あちらこちらにブラックタイガーのエビ養殖場が点在する路を南下し、2時間ほどで目的地に到着する。多分市内から30キロ位走っただろうか近くにサイゴン川の支流が流れている。今は雨季、晴れていると摂氏35度にもなる所である。この日も晴天でじりじりと頭上から容赦なく強い日差しが照りつける。すでに親子連れが大勢集まっていた。そこは集会所兼保健所の様な所で天井にはゆっくりと扇風機が回るガランとした部屋での診察である。早速抜歯の準備にとりかかる。歯科大男子学生がお手伝いしますと協力を申し出てくれた。つぶらな瞳が不安そうに並んでいる。椅子に腰掛けさせ診察する。チャートには名前と年齢が書かれているが衛生士に子供の年齢を聞く。8歳です。せいぜい5歳位しか見えない。顔を見合わせた。日本の子供たちより大分小柄で痩せているが食生活や栄養事情が悪いのだろうか。ここは農村地帯、子供たちほとんどが多数歯カリエスで、抜歯担当医としては歯式をとり親に身体状況を尋ね、子供の状況を説明し了解をえてから、汗だくになりながら次々と抜歯をする。歯科大生が慎重に処置しているのを確認して安心する。我慢する子、泣きじゃくる子、暴れる子いろいろです。私も久しぶりに開業した若い頃を思い出しました。

 ベトナムの子供たちは歯を磨く習慣がほとんどないためか中には大人並みに歯石ががっちりついている子もいる。親もカリエスのまま放置し痛くても我慢させるか、痛み止めを飲ませるしかないようで学校歯科医の私も腕組するのみです。現実はここには診療所もお金もないからなのでしょう。2日目はホテルから車で1時間ほどの場所で前日より民家や商店があり大型扇風機が後ろで唸っている舞台つきの大きなホールでの診療です。この日は歯科大生はおらず橋本先生と二人で奮闘が始まりました。勿論冷房はなく水分を補給しながらの診療です。椅子を二つ用意し一人に麻酔して待たせ、もう一人を診察する。この繰り返しで抜歯の連続です。ここでは3人の子がセメント充填していましたが既に二次カリエスになっている。

 やはりほとんどの子が乳歯、永久歯がC2、C3になっている。中には10歳で下顎小臼歯がC3で痛みが強く抜歯した子、下顎第一大臼歯が両側ともC4の子、3歳で乳歯が全部カリエスの子など今の日本では絶対お目にかかれない状況です。結局ドクター二人で2日間300名以上診察し多分私も70本位は抜歯したと思います。

 今回は午後も4時30分まで診察しホテルに帰ったのが7時過ぎで正直なところ、シニアにとってはきつかったし、疲れました。若いメンバーたちもさすがに疲れているようでした。ベトナムの子供たちが少しでも歯の痛みから開放されるならば訪問した意義があったと思います。最後になりましたが橋本先生ご夫妻、歯科衛生士の皆さん、ご苦労様でした。お世話になりました。とりとめもない感想文でしたがお許し下さい。

こがはしもと歯科医院 歯科衛生士 惠美めぐみ
 私自身が、今回2回目となるボランティアになりました。

 去年の6月に始めて参加させて頂き、1年しか空いていないのにもかかわらず、現地のスタッフの方々の対応や行動に変化がありました。前回は日本語が通じず、中断した事が何度もありましたが、今回は比較的スムーズに意志の疎通が行えたと思います。その一番の違いは、通訳して頂いた生徒さんが何度かボランティアに参加していたため、流れを全体的に理解しているので戸惑うことなく診療自体は進んでいったと思います。

 ただ前回あり得ない状況が、今回はあったので、自分自身気を引き締めたいと思いました。それはモーニングコールが鳴らなかったので、寝坊した事で周りの方々に迷惑をかけてしまった事です。何が起きるかわからない!!携帯のアラームは充電が無くなると使用出来なくなるので、目覚まし時計が必要だと思いました。

 目覚まし時計も必要ですが、診療中患者さん一人一人にEXTする時に通訳の方を通して問診をし、ガーゼを噛んでもらうなどを伝えるのに時間がかかったと思います。これは、ベトナム語で記入された紙を作成する事により、スムーズにいくと思いました。

 今回は紙芝居を事前に作成し、行うことが出来ました。1日目は紙芝居が終わって、TBIを行おうとし、歯ブラシを渡した途端、部屋には誰もいなくなりました。あっけにとられましたが、再度2日目、体育館ほどの大きなホールで椅子もあり、始めに歯ブラシを渡す作戦にしました。歯磨きを知っている様子で無事TBIを行う事ができ、満足のいくものにはなりませんでしたが、1日目よりは前進することが出来きたのでよかったです。

 口腔内の状態は、1日目の無医村の子供達は処置歯が少人数見受けられましたが、そのほとんどがC4で抜歯しなければいけない状態だったと思います。2日目は立派な建物の中で、都心部から割と近い場所で行い、そこの子供達は処置歯が1日目より多かった様に思えました。今回2回目となるボランティアでしたが、私自身また勉強することが出来、良い経験になりました。

こがはしもと歯科医院 歯科衛生士 辻本 時子
 JAVDOの活動に参加するのは、今回で二度目になりました。ちょうど1年前の6月に参加し、出来たらもう一度行ってみたい!と言う気持ちから行くことを決めました。                  

 今回こがはしもとグループ5人のうち、私を含め3人が二度目だったため、前回出来なかった心残りだった部分をはらしたい気持ちでいっぱいでした。前回初めて行ったベトナムが大好きになり、行きたぁ〜い!と言う気持ちがベトナム行きを後押ししたのも事実です。

 前回、検診を主に行う予定だったのですが、気付けば抜歯鉗子ばかり用意している自分がいました。抜歯を望む子供達が多く・・・続けて治療が可能であれば、残せるであろう歯(特に上顎前歯)を抜くときはとても悲しい思いをしました。そういう子供達を増やさないためにも、前回時間がとれず出来なかった歯磨きの大切さを少しでも知ってもらいたかったのです。今回、検診・治療を行う前にTBIの時間を作って頂けたと言うことを事前に知らせてもらっていたので、新たに紙芝居を作り直し持っていきました。

 1日目、車とフェリーを乗り継ぎ、街を離れ島に渡りました。道は舗装されておらず車が途中で入れなかったため、5分程歩いて産婦人科の
病院!?みたいな所に着きました。まず初めに私達の自己紹介を集まった子供達にし、早速TBIを始めました。通訳をしてもらいながら紙芝居を話し、いざ歯ブラシを配り歯磨きの練習をしようとしたのですが・・・歯ブラシを受け取ったとたん、パァーっと室内から出て行き私達だけが取り残されてしまいました。失敗!? 気を取り直し、検診・治療を始めました。痛みを訴える子供達がほとんどで、抜歯と残せる歯はグセ充を行いました。セメントを練るプラスチックスパチュラを忘れてしまい充填器で練るはめになり、いつものようにいかず大変でした。

 2日目、ホテルがある1区から12区まで車で移動し演劇をおこなう劇場に着きました。昨日のことをふまえて、今日は自己紹介の後に歯ブラシを配ってから紙芝居をすると、歯磨きの練習が出来ました。子供達に話を聞くと普段から歯磨きの習慣があるとのことで、昨日とは状況が違うように思いました。カリエスフリーの子供もおり、全体的にカリエスの数も少なかったです。

 このJAVDOの活動に参加することを通して、ホーチミンの歯学部に通う学生の方や、日本語学校に通う学生の方と話をする事で、教えてもらう事がたくさんありました。私にとって、本当に良い刺激になりました。また、前回出来なかったTBIをすることが出来ました。子供達に歯の大切さ・歯磨きの大切さがちゃんと伝わったのかは、分からないですが、してくれている事を願います。また、
来年も新しい紙芝居を作製して、参加させていただきたいと思っています。

   ベトナム歯科治療を終えて
こがはしもと歯科医院 歯科衛生士 飯田 好美
 今回は2つの地域へ行き、ドクター2名、衛生士4名で新しく充填なども加わり、それぞれ歯科治療を行いました。私はJAVDOのメンバーとしてボランティアに参加したのは初めてなのですが、ベトナムの歯科治療の実態、食生活、環境による子供達の口腔内の状態などを見て圧倒されました。1日目の島の子供達は、歯を磨く習慣がなく、ほとんど残根での抜歯が多く見られました。日本では残根になるまでに歯医者に行き、治療が行えるのに本当に残念だと常に感じていました。自分で歯を守る為にする事はブラッシングを行うことで、それは日本でもベトナムでも共通する事だと思うので、私達に出来ることはまず歯を磨く習慣をつける事だと思いました。習慣をつける事で齲蝕など全体的に変化が表れると思います。それがJAVDOというボランティアを通じてベトナムの人達に何らかの影響を与え、感じてもらえれば良いと思うし、その為には私達衛生士の力が必要だと感じました。
JAVDO 第25回ベトナム派遣団に参加して
こがはしもと歯科医院 歯科衛生士 橋本瑞穂
 私が今まで参加したボランティアといえば、阪神大震災のときに物資を配ったり瓦礫を運んだりという力仕事のみでした。今回は、歯科衛生士という資格を持って、初めて参加するボランティア活動となりました。参加するからには衛生士としてできる限りのことをしようと、日本を出発しました。

 しかし実際ベトナムの子供たちの口腔内を見ると、意気込みが空回りするような現実が待っていました。おそらく歯科医院に行ったことはなく、虫歯になって痛みもあるだろうに放ったらかしなのです。できれば保存してあげたくても、治療を継続するために通院することは経済的に難しく、痛みを取り除くことを第一に考えると、処置としてできることは必然的に抜歯が多くなります。また、現地の子供たちや保護者の希望も、とにかく抜いてほしいということでした。治療経験のある日本人でも嫌がる抜歯ですが、ベトナムの子供たちは言葉さえ通じない外国人である私たちの処置を怖がりながらもがんばって受けていました。そして、大抵の子供たちは処置後、丁寧にお礼のお辞儀をして帰っていくのです。その後ろ姿をみると、もっと「歯を治す」という治療をしてあげられたらと思いました。

 また今回処置前に時間をとり、ブラッシングの集団指導を行いました。頭でシュミレーションしていたものと違い、こちらが言いたいことをとりあえずただ伝える(それも通訳を通して…)ということだけで終わってしまったように思います。ブラッシング指導を経験した子供たちが、私たちの伝えたことを日々行ってくれるかというと、きっと厳しいでしょう。

 今回初めてJAVDOの活動に参加させて頂きましたが、今は治療というよりはまだまだ抜歯が多いと思います。実際そうすることが現地の人にとって、一番望み喜ばれることだからです。しかし、活動を続けることによって、治療を継続できる人が増え、予防の知識も広めることができればと思います。

 実は今回私は主人に言われての参加で、最初はそれほど気乗りしなかったのですが、帰国した今はまたベトナムへ行きたいと思っています。初挑戦で美味しかったドリアンや、夜風が気持ちよかった二人乗りのバイクなどボランティア以外でも楽しい思い出はたくさんありますが、再び行きたいと思えたのは今回一緒に活動に参加してくれたベトナムの人々がいたからです。彼ら彼女たちの助けや協力がなければ、これほど充実して楽しい活動にはならなかったでしょう。私もベトナム語を学び、現地の言葉で今より少しでもコミュニケーションがとれ、彼ら彼女たちに近づけたらと思っています。





特定非営利活動法人 日本歯科ボランティア機構