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第22回派遣報告
団長: 中條 新次郎
団員: 歯科医師 林 美津子
榊 由起子
歯科衛生士 北口文恵
時長 美愉紀
奥山 美和子
宮尾 菜穂子
その他 中條 真祐子

 
活動年月日 2004年12月20日 2004年12月21日
活動場所(施設名等) CHILDREN HOUSE HOPE SCHOOL FOR HEARING IMPAIRED CHILDREN BINH THANH
HOA HIEP VILLAGE. LONG HOA WARD. Can Gio district 25 Nguyen Van Lac , Binh Tanh Dist,
時刻 開始 9 時 30分 8 時 30分
    終了 11 時 30分 13 時 30分
派遣団員内訳
歯科医師 3 人 3 人
歯科衛生士 3 人 3 人
その他 1 人 1 人
検診人数 26 人 92 人
処置した人数 25 人 72 人
処置内容
抜歯 18 歯 21 歯
充填 レジン 3 歯 12 歯
サホライド 22 歯 64 歯
歯科衛生士の活動
ブラッシング指導(保健指導) 5 人 8 人
歯石除去 3 人 6 人



−治療報告− 中條歯科医院   中條新次郎
初日の訪問先は CHILDREN HOUSE (HOA HIEP VILLAGE. LONG HOA WARD. Can Gio district)と呼ばれていた。がたがた道を車に揺られること2時間。途中、気分の悪くなる通訳がでる位ひどい道だった。海沿いの村のようだった。主にHOA HIEP PRIMARY SCHOOL の子供たちが来ていたようだが、高校生くらいの子供もいて、はっきりしない。治療する部屋は教室らしく机が並んでいたが、床にはタバコの吸い殻も散乱し、清潔とは言い難い。ともかくいつものように準備検診から行い、治療の必要な子供は随時行った。口腔内は全般にひどい。5歳くらいで既に全顎Cの子供がいた。保存処置は不可能であり、痛みがありそうな歯牙から抜歯とした。いつもながら戸惑いを隠せない。特に乳歯で歯根の吸収していないものは抜歯をすると抜歯窩は意外に大きい。泣き叫ぶ子供をお婆さんが押さえつける。混乱の中で治療は進行した。村はちょうどお祭りがあったようで、子供が集まらず治療は午前中のみで終了した。

二日目はHOPE SCHOOL FOR HEARING IMPAIRED CHILDREN BINH THANH

(25 Nguyen Van Lac , Binh Tanh Dist)聴覚障害の子供達だった。制服がそろっていて管理が行き届いている印象を受けた。ホーチミン市内にあり、車ではわずかな時間しかかからない。出迎えは子供達の中でも世話好きな子もいるようで、高校生くらいの子がてきぱきと指示を出し我々の荷物を運んでくれた。部屋の中で治療を希望していたが、部屋が汚れては困るということで、外の駐輪場のような場所で行った。屋根はあったが、道路のそばで、車やバイクの音がうるさかった。幸いにも12月で思ったほど蒸し暑くなかった。100人あまりの子供達は学年ごとにきちんと整列し手話による挨拶ができた。統制はとれている。職員は皆アオザイだった。歓迎の意味だろうか。横断幕がありがたい。今回は林先生の意見で一通り検診をしてから治療とした。ベトナムでも都会の子供と市内の管理されている子供とは大きな違いがあると感じた。昨日に比べるとカリエスの数が違う。治療の必要の無い子が多い。サホライドのみの子供がたくさんいた。もちろん抜歯も必要だった。大きい子の第一大臼歯の抜歯は気が引ける。同様な治療が多く行われているのだろうか、第一大臼歯が欠損したまま歯列が完成している子供は一人ではなかった。未治療のC4も大臼歯に存在する。典型的な歯列は持参したデジタルカメラで記録した。途中、バキュームとしての掃除機が故障するも、子供達は協力的でおおきな混乱は無かった。ただ、持参した光照射機を200Vに差し込み、煙を上げたときは、予想された事態とはいえ少なからず・・・。HASSYOが黄色のTシャツを配った。子供達はそれを着て、明るく我々を取り巻いてくれた。衛生士は新聞紙でカブトを折って子供達と楽しい交流の時を持つことができた。治療の内容は別紙参考にして頂きたい。

−フッ素について−
WHOの報告の中にもベトナムの水道水のフッ素化は報告がある。我々も漠然とその事は知っていたが、本当にそうなのか確認してみた。

試料は田舎と町中の2カ所から持ち帰る予定だったが、手違いにより1日目の田舎の試料は途中捨てられてしまったため、ホーチミン市内の水道水の試料のみとなった。(残念!)

測定は大学にあるHORIBA PH/IONMETER F-24にフッ素電極を用いて行った。

水道水10mlにTISAB Vを1ml加え、通法に従い測定した。

結果は0.88mg/Lであった。水道水のフッ素化は0.7〜1.0mg/Lでう蝕抑制効果がある(フッ化物応用と健康 -う蝕予防効果と安全性-, 口腔保健協会,)ということであるから、ホーチミンの水道水は効果が期待出来ると言えることがわかった。
−感想−
我々は今回大きなテーマを抱いていました。カリエスの数は本当に多いのか?カリエスになっている子供達の何が原因なのか?これらを調べるためには、対象を確定すること。サンプルを十分とること。歯式を詳しく取ること。経年的変化をとらえること。食生活や生活習慣の詳細なアンケートを採ること。唾液緩衝能の計測。う蝕活動試験の実施。などを計画していましたが、実際はどれもできませんでした。マンパワーの不足であり、私個人の力不足が原因であり、残念でなりません。ただ気になっていた水道水のフッ素濃度だけは確認することができました。今後は他の会員の協力をますますお願いすると供に自分ももっとがんばろうと思っています。

私は、観光を含め都合6回のベトナム訪問をしてきました。クチやメコンデルタまで足を伸ばし、歴史博物館を覗き感想文を書きました。少しはベトナムのことがわかったよう気になりましたが、我々同様現地でボランティアを行うF.F.S.C(ホーチミン市ストリートチルドレン友の会)の川口様やその他隠れた多くの日本人の活動を目にして、歯科の事しか出来ない自分に恥ずかしい思いでした。我々JAVDOの活動が広く認識され、評価されるようになることを期待して止みません。

最後に私はこの訪問とは別にホーチミン市内の無料歯科診療所の開設式にも参加しました。テープカットにまで参加させて頂く機会を与えて下さった藤岡先生に改めて感謝致します。

−感想文−  榊 美津子
今回、歯科医師免許を取得し、念願のJAVDOの活動に参加させていただきました。ボランティア活動は子供の頃からの夢でしたので、きっかけを与えてくださった中條先生に感謝しています。

参加する前は、全てが初めてのことなので先入観を持たず、素直に現状を感じられるよう努力しました。そのおかげで、現地の子供の口腔内の状態や、とにかく抜歯をすることも比較的疑問を持たずに受け入れることができました。すでに痛む歯に対する処置を行い、そのことに感謝されるという現状はしばらく変わらないと思います。カリエスを減らすには・・・診療を現地でいつでも受けられるようにするには・・・抜歯後放置することでどんな口腔内になっていくのか・・・またカリエスを作ってしまうのでは・・・ 考え出すと問題は山積みのような気がしますが、なんのこっちゃない、数十年前の日本と同じことのような気がします。日本がそうであったように、時と共にきっと今私が感じる不安や疑問は解決されていくでしょう。今後ベトナムが変わろうとする波の中で、どう関わっていけるか、楽しみで仕方がありません。その時々に必要とされているオファーに応えていけるように、私自身もっともっと力をつけていかなければ、とベトナムからパワーを頂いて帰ってきました。

私はボランティア初心者ですので、今後2回、3回と参加させて頂くにつれ、おそらく色々な壁にぶつかると思います。しかし、JAVDOにはたくさんの先輩がいらっしゃるので、お導き頂きながら今後とも様々なことを感じ、活動を続けていけたらと思っております。

ありがとうございました。

平成1612月ベトナムボランティア感想文
中條歯科医院 歯科衛生士 奥山 実和子
私は、今回初めてベトナムのボランティアに参加させていただきました。このボランティアの話を聞いた時、ベトナムの子供達はどんな口腔内をしているのか、ボランティアでの歯科治療はどの様にされているのか、初めて行くベトナムの風土など、様々な興味を持ちました。歯科衛生士としては、経験の浅い私なので、できることはわずかかもしれないが、このベトナムボランティアで少しでも役に立ちたいと思い参加させていただくことになりました。私にとって、この様なボランティア活動は、全く初めてで出発が近づくにつれて自分は役に立てるのか、自分には何ができるのか、など不安と緊張でいっぱいでした。

しかし、診療が始まるとそんな不安など考える暇もないくらい、あっと言う間に時間が過ぎていました。ベトナム出発前、先輩衛生士さんに「その場で自分のできることをすればいいのよ。」とアドバイスをしていただいたので診療では焦らず自分に今出来ることを探し行動することができたと思います。ベトナムの子供達は、治療が始まると怖さと痛さで泣く子も多くいましたが、治療が終わった子は笑顔で寄って来てくれました。二日目の施設では、診療が終わった後に、子供達みんなが声を合わせお礼の言葉を言ってくれたのがとても感激でした、今でも心に残っています。子供達の笑顔とお礼の挨拶で、今回のボランティア活動でのやり甲斐を感じた瞬間でした。今回ベトナムボランティアに参加させていただき、診療はもとより他の多くの事も学び、自分にとってもすごく勉強になりました。

これからも、この様な活動に進んで取り組んでいけたらと思います。最後に、今回お世話になりました先生方、先輩衛生士さん方、現地の学生さん方に心から感謝いたします。

宮尾 菜穂子
昨年、JAVDOのみなさんとベトナムを訪れ今年も参加を志望した理由は、日本にはないエネルギッシュな町の風景や、子供たちのあの純粋な笑顔をもう一度見ることができたらという思いがあったからです。

二回目の参加ですが、まだまだ不安はあり緊張しました。自分に何が出来るか、どうすれば皆さんの役に立てるか心配でした。しかし、前回と同様に、出来ることは精一杯しようという気持ちで出発を待ちました。また、前回を振り返ってみるとブラッシング担当だった私は、緊張していたのか順番が来た子供にただブラッシングをするとといった状態で声掛けが十分でなかった事を思いだし、今回は積極的に話しかけたり、ふれあう機会を多く持つことを目標としました。その準備として、新聞紙を正方形に切り大きな折り紙として持参し、頭に被ることができるカブトを一緒に折るように考えました。

1日目は2時間ほど車に揺られ、チルドレンハウスという学校へ訪問しました。車酔いしやすい私は体力を消耗し、抜歯のアシスタントについても、器具の準備や消毒に追われ気が付けば時間が過ぎていた状態で目標である子供達とのコミュニケーションはとれていませんでした。今、思えばもう少し落ち着いて周りを見ながら動くことができればもう少し違う結果が出ていたのではと反省しています。

2日目は聴覚障害を持つ生徒が通う学校への訪問でした。1日目の学校では持参した新聞紙を出すことも忘れていたため、時間を見つけて折ってみようと考えていました。治療の順番を待っている子供に身振り手振りで話しかけてみると、大きくうなずいたり、笑ったりしてくれました。コップの水を汲んでくれる等、小さなお手伝いを頼むこともできました。治療が終盤に入り片付けを始めた頃、机の上に新聞紙を出し、カブトを折って一人に被せてあげると大変喜んでくれました。周りにいた子供達が集まり一緒に折ることができ、短い時間でしたが治療以外でふれあう機会が持てたことが嬉しかったです。このように遊びながら打ち解けていく中に紙芝居やエプロンシアター等を使って口腔衛生指導を取り入れていけたらと思いました。

貴重な経験ができたのも先生方、スタッフの皆さんが一人で参加する私を快く受け入れてくださったおかげです。ありがとうございました。



特定非営利活動法人 日本歯科ボランティア機構