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第19回派遣報告
団長:        藤岡 道治
団員: 歯科医師 勝部 寛
石本 耕二
大本 佳奈
歯科衛生士 山本 春江
その他 濱村 佳子

 
活動年月日 2004年10月9日 2004年10月10日
活動場所(施設名等) The Hy Vong School For Handicapped Children
午前の部 午後の部 午前の部 午後の部
時刻 開始 9時00分 8時30分
    終了 12時00分 12時30分
派遣団員内訳
歯科医師 4人 4人
歯科衛生士 1人 1人
その他 1人 1人
子供達との交流 89人 150人
検診人数 89人 198人
処置した人数 44人 91人
処置内容
抜歯 28歯 62歯
充填 (グラスアイオノマー) 8歯 10歯
サホライド 49歯 109歯



初めてのボランティア
勝部  寛
私は東京目黒区で開業35年になるシニア開業医です。日経マスターズという雑誌にシニアのボランティア活動が掲載されており、以前から満65歳になったらこれを契機に何か新しい事にチャレンジしてみようと思っておりました。

今年の春先、日本歯科医師会主催で海外歯科事情について講演会が開催され参加致しましたがDrの海外活動に関する内容でなく、主に海外派遣労働者についての内容でした。その後インターネットでJAVDOの活動を知って早速入会致しました。送付された資料から10月の派遣団の一員に入れて頂き、藤岡先生ほか5名が8日にホーチミン市に集合致しました。私は単独で成田からの参加でしたが事務局の長田さんの配慮で日本語の話せるボランティアの女子大生2人が空港に出迎えていて、戸惑うことなく無事ホテルに到着できました。別便で着かれた藤岡先生一行と合流し一休みの後夕食を食べるべく市内に繰り出しました。初めてのベトナム料理でしたが独特の香りは余り気にならずおいしく賞味できました。お陰で明日からの診療に十分鋭気を養うことができ、翌朝8時にホテルを出発し現地に向かいました。

10月9日、10日と児童の障害者施設、地区保健センターにおいて合計300余名の子供たちを診察致しましたが、これまで参加されたメンバーのご報告で子供たちの口腔状況は把握しておりましたが中には唖然とするような子供もおり、厳しい状況を身をもって体験致しました。抜歯担当医として乳歯のC3,C4は抜歯、痛みのある第一大臼歯も涙を呑んで抜歯致しました。ベトナムの歯科事情はよく判りませんがこれからは可能な限りの保存治療と虫歯予防運動の啓蒙の必要性を痛感致しました。直ぐには今の日本の子供のような良い状況にはなりませんが一歩一歩前進できたらと思います。それには藤岡先生のご努力が実を結びJAVDO診療所の開業認可が一日も早くおりて子供たちの笑顔が見られる日が来るのを期待するばかりです。
日本に帰国して何かホーチミン市の喧騒が懐かしく思え、私も微力ながらまたお手伝いできたらと思っております。

2度目のベトナム訪問 
歯科医師 石本耕二
2003年1月に初めてベトナムを訪れて以来、今回2度目になります。
乗り継ぎの列車のアクシデントで飛行機にまにあわないかもしれないというスリルもあり、
タンソンニャット空港に降り立った時はほっとしました。人々の熱気とギラギラする太陽の下、自分にできる精一杯のことをして帰ろうと思いました。
 
滞在2日目は、障害児の施設を訪問しました。藤岡団長の指示のもと、日本語のできる現地の学生さんに協力してもらい、歯科医師4人とアシスタント2人、手際よく検診と治療ができたと思います。当日のエピソードを紹介します。
16才の知的障害のある子で、抜歯するのに、私が浸麻すると、痛いのとびっくりしたのでしょう、暴れてものすごい勢いで逃げていきました。捜したのですが見つからず、大体治療が終わる頃になって、友達も抜いたから自分も抜いて欲しいともどってきました。その後、勝部先生により抜歯終了致しました。健常者と違い、少し手強い子どもが多かったのですが、無事終了しました。
 
滞在3日目は、保健所に近隣の子どもたちが集まって、約200人の検診・治療を行いました。前日同様、スタートして30分で全員汗だくになりました。ベテラン衛生士の山本さんはマスカラが汗で流れて、さながら黒い涙のようになりながらも、いつも通りのムダのない動きでスムーズに治療がすすみました。汗を流した後の食事は格別で、初めて当地に来た時は食べられなかったものが、今回は食べることもでき、有意義な時間をすごすことが
できました.
 
ベトナムは日進月歩で、特にホーチミン市では都市開発がすすみ、1年で大きく変わります。市民の生活レベルの差は広がり、歯科治療を受けることのできない人々は減らないでしょう。歯科ボランティアが必要なかぎり、参加したいと思います。
 最後に東京から参加されました勝部先生、お世話になりました。大先輩とボランティア活動ができたことを光栄に思います。また、いろいろ勉強させて頂いたことに感謝致します。機会がありましたら、またご一緒させて下さい。 
感想文
歯科医師  大本 佳奈
私は今回の派遣が初めての歯科ボランティアでした。診療室では主に予防と歯周病を担当させていただいている私が、果たして役に立つことができるだろうか?と、行く前は不安でいっぱいでしたが、やってみないと分からない、少しでも力になることがあるだろう、と思い切って参加させていただくことになりました。
 ベトナムの第一印象は、すごいエネルギーにあふれたところだ、ということでした。以前カンボジアに行ったことがあったので、同じ感じを想像していたのですが、おびただしい数のバイク、立ち並ぶ高い建物、市場や屋台に集うたくさんの人、想像以上に発展し活気がありました。
 一日目は障害を持つ子供たちの施設、二日目は地域の貧しい子供たちの検診・治療を行いました。受診人数が多く、特に二日目は200人を超える数だったので、嵐のような忙しさでした。そのため子供たちと触れ合う時間がほとんどなく、もっと色々話したりコミュニケーションをとれればよかったなと後で思いました。私は検診を担当させていただいたのですが、普段の診療でのう蝕〜抜歯の判定基準と異なり、C3でも痛む歯は抜歯せざるを得ないということで、はじめかなり戸惑いました。また、限られた治療しかできないため、どの歯を治療するのが今の状態でベストなのか、例えばこの痛みのない残根を抜くよりこの小さなう蝕を治療した方が後々歯を残せるのではないか、などということについてもかなり悩みました。
 想像通り口腔内の状態はあまり良くなく、乳歯全歯にわたりほぼ残根状態の子供や、10代で前歯を抜歯している子供、臼歯が残根状態の子供など、この先どうなっていくのだろう…と案じずにはいられない子供たちがたくさんおり、胸が痛みました。口腔衛生状態ももちろん悪く、う蝕が判定しにくいほどプラークに覆われている子供もたくさんいて、口腔衛生に関する知識の普及の必要性を痛感しました。
 検診している際、あまりに要処置歯が多いため、短期間行ってその一部を治療しても焼け石に水なのではないか?と強く感じていたのですが、帰って改めてJAVDOのHPを拝見していると、『JAVDOの考えでは「出来るだけ多く、又早く口腔内調査をし、実態を把握した後に治療計画をたてる」ということである』と書かれてあったので、なるほどと納得し、私がちゃんと主旨を理解できていなかったのだなと反省しました。現地の診療所が稼動し、そこを拠点として恵まれない子供たちを継続的に診ていける体制が早く作られることを願っています。
 今回、子供たちと触れ合い話すことはあまりできませんでしたが、通訳兼助手として参加されていた、外語大学で日本語を専攻されているベトナムの学生さんと色々と話すことができ、ベトナムのこと、あちらから見た日本のこと…などが分かり、とてもよい経験となりました。彼・彼女たちは日本のことをとてもよく勉強されていて、それに比べて私はベトナムのことについて本当に簡単なことしか知らず、もっと行く前に勉強しておけばさらに色んなことが聞けたし理解ができたのに…と残念に思いました。今回のことでベトナムの国自体にも興味がわき、もっとよく知りたいと思うようになりました。
 今回参加させていただいたことで、自分の新しい見方・考え方が生まれ、とても貴重な体験となりました。このような機会を与えてくださったことに感謝いたします。
  
3回目のJAVDOの活動に参加して
歯科衛生士 山本春江
 今回が3回目の参加となりました。
今までは、行くことだけで頭がいっぱいでしたが、今回は少し余裕が出て、行ってから如何に動くかを考える事が出来ました。 
 まずは治療している子供達に優しい言葉をかけて上げたいとベトナム語の本を買い、又以前行かれた技工士さんの奥さんが子供たちに折鶴を折ってあげると好評だったと聞いたので、診療室のスタッフに協力頂き鶴を折り、プレゼントの歯ブラシも用意して出かけて行きました。
 ホーチミンに着いた時、とても懐かしく不思議な感情が湧いてきました。確かに前回までとは違っていました。 
ホテルに荷物を置き、診療に必要な物を持って早速、新しく出来た診療室に出かけていきました。そして立派な診療室を見て感動しました。日本の診療室のように明るく、綺麗で清潔でした。エアコンも完備してあり、これで快適に診療出来ると思いました。ここまで来るまでの理事長先生始めJAVDOのスタッフのご尽力と多くの方々の支援の賜物だと感慨深いものがありました。
 今回の予定は1日目障害者施設で100名 2日目地域の保健所で200名でした。
この2日目がすごかった。エアコンは勿論ありませんので診療が始まって10分位から汗が滝のように流れ出し、メイクもあれよあれよという間に流れてしまい、それを拭う暇もなく、只ひたすらに3時間奮闘しました。ここで教訓が生まれました 「ベトナムでアシストするならすっぴんでするべし」 以後気を付けようと思います。こんな体験始めてでした。でもその後すがすがしく良い気持ちでした。
 飛行機を降りたとき不思議な感じがしたのは、ベトナムに愛着が生まれてきて、恵まれない子供たちのお役に立ちたいと心から思う気持ちだったのかなぁと決意を新たにしました。 今回は私の想いとはうらはらに子供達と挨拶もそこそこに通り過ぎてしまって気がします。いつか必ずベトナム語でブラッシング指導したいと思います。
 今少し時間がたってあちらで買ったお香を焚きチンコンソンのCDを聞きながらすっかりベトナムびいきになっている自分に驚いています。又、次回参加できる日を楽しみに衛生士業務に専念していきたい。
 こうして色々なことが体験できるのも診療室の環境が素晴らしいからだと思います。
お世話になったすべての方々と、そして家族の協力に感謝致します。




特定非営利活動法人 日本歯科ボランティア機構